＜楽天４－５日本ハム＞◇２６日◇Ｋｏｂｏパーク宮城

　日本ハムが今季４勝１２敗と大きく負け越していた２位楽天に、初のカード勝ち越しを決めた。３－３で迎えた５回１死三塁、２番松本剛内野手（２４）が決勝打となる適時二塁打を放った。先発した楽天エース則本からの２安打を含む３安打で、８度目の猛打賞。今季ブレーク中の６年目が、チームを６度目の３連勝に導いた。

　５回１死三塁、勝ち越しのチャンスに打席に入ったのは松本だった。「（楽天則本は）真っすぐがいいピッチャー。フォークだったらしょうがないって気持ちで」。開き直りが奏功する。初球の１４６キロ直球。思い切りバットを振り抜いた。打球は左翼線への適時二塁打、勝ち越しの４点目が入る。「とにかくランナーをかえすバッティングを意識した」。９試合ぶりの適時打は、試合を決める一打となった。

　相手エースの出はなをくじいた。初回、西川が相手失策で出塁した無死一塁の第１打席。左前打でチャンスを広げ、大谷の先制打を呼び込んだ。則本とは初対戦。「日本を代表する素晴らしい投手」と敬意を持って臨み、打ち砕いた。栗山監督に、驚きはない。「もともと（ソフトバンク）千賀とか、いい投手を打っているバッター。剛が打ったからって普通」。ここまで起用に応え、結果を残し続ける松本への、信頼は揺るぎない。

　同期のエールが胸に刻まれている。打率４割をマークしていた近藤が腰の手術のため６月で離脱。入院中は電話などで連絡を取り合った。「電話を切る時に毎回『頑張ってね』と言ってくれた」。好調だっただけに、途中離脱を余儀なくされた無念さがわかる。復帰を目指す同期の分も、プレーで結果をという思いが募った。

　今季はキャリアハイを更新し続けている。昨季１２試合だった出場試合数は、この日で８３試合。シーズン残り３２試合、フル出場を果たせば規定打席到達も見えてくる。成績とともに人気も上昇中。９月に開催される「プレイヤーズスペシャル」では注目選手の１人に選ばれ、「理容組合北海道日本ハムファイターズ後援会」による今年のヘアデザインのモデルにもファン投票で決まった。「１戦１戦勝ちにこだわってやっていきたい」という６年目の２４歳は、一戦ごとに存在感を増している。【保坂果那】

＜日本ハム松本の今季ブレーク＞

◆昨季まで…１２～１６年シーズン通算２５試合３７打数７安打２打点、打率１割８分９厘

　▼初出場　１３年１０月４日ソフトバンク戦「８番三塁」で初先発

　▼初安打　１５年４月１７日楽天戦９回１死から代打で右前打

　▼初打点　１６年４月１５日ロッテ戦２回１死満塁から右前に２点適時打

◆今季…１７年シーズン通算８３試合（先発６５試合）２７３打数７９安打２２打点４本塁打、打率２割８分９厘

　▼初本塁打　４月２５日ソフトバンク戦３回にプロ１号３ラン。８回もソロ弾で１試合２発

　▼初猛打賞　６月１４日中日戦で６回右前打、７回左前打、延長１１回左前打

　▼初サヨナラ打　７月２０日楽天戦３－３の延長１１回裏１死一、三塁から二塁への内野安打で