高橋監督若手実らせる秋!フェニックス視察を検討

笑顔を見せる高橋監督(中央)(撮影・浅見桂子)

 巨人高橋由伸監督(42)が若手の成長動向を注視する。9日、川崎市のジャイアンツ球場で秋季練習を開始。ベテラン、中堅主体のメンバーで、来季に飛躍が期待される若手の多くはフェニックスリーグが行われている宮崎に派遣されている。指揮官は視察に訪れる可能性を聞かれ「考えてはいる。後はスケジュール(次第で)」と検討していることを明かした。

 若手の登竜門、フェニックスリーグはCSと日程が重なり、CS常連の巨人では監督の視察は難しかった。だが今季は11年連続CS出場を逃し、日程調整は可能。来季の正二塁手獲得が期待される吉川尚、大砲候補の岡本、成長著しい宇佐見らが実戦で牙を研いでいる。シーズン中も時間を見つけて2軍戦を視察してきた高橋監督が足を運ぶ可能性は十分にある。

 就任から2年間、一定のチャンスは与えてきた。空位だったポジションもある。だが畠が先発枠をつかんだ希少例はあるが、野手陣はまだ大成した実例がない。「やってくれないと困る。こちらが手伝ったり、サポートする部分はある。でも本人が自覚して感じて、前向きにやることが重要。それをどう導くかが僕らの仕事」。選手は自ら能力を解き放ち、指導者は最良の人材を見抜き、最適のタイミングで舞台を用意する。ともに合致して、初めて成功を収めることができる。

 3年連続でリーグ優勝を逃し、例年より長いオフとなった。「来年に向けた準備の時間となる」。雌伏の時をどう過ごすかで、来季の栄光に直結する。【広重竜太郎】