引退後の不安は過去最少 若手のプロ野球選手に調査

日本野球機構(NPB)は30日、現役の若手選手にセカンドキャリアについて尋ねたアンケートの結果を発表した。昨年10月のフェニックス・リーグに参加した235人に無記名で調査。回答者の平均年齢は23・3歳で、プロ野球の平均在籍年数は5・7年、平均年俸は836万円、高卒選手が50%を占めている。

 「引退後に不安を感じている選手」は64%(150人)で、調査11回目で最少となった。調査開始の07年は75%で、08~13年までは70%を超えていたが、14年に初めて69%に低下。15年は73%に上昇したが、16年からは3年連続で60%台に低下した。08年にはリーマン・ショックが起きているが、現在は日経平均株価は当時と比較すると2倍以上となっている。景気の動向や有効求人倍率などの変化が、回答に影響を与えている可能性はある。

 不安要素(224票、複数回答可)の1位は収入で44%(98票)、僅差の2位は進路で43%(96票)だった。3位は「やりがいの喪失」で7%(16票)と、上位2つとは大差となった。

 引退後の希望進路(やってみたい+興味がある)は「高校野球の指導者」で11年連続で最多の63%(やってみたい14%、興味がある49%)だった。2位は57%の「一般企業の会社員」だが、こちらは「やってみたい」が7%と低く、「興味がある」が50%だった。3位は「大学・社会人の野球指導者」で56%、4位は「社会人・クラブチームで現役続行」で54%、5位は「プロ野球の指導者」で53%だった。

 NPBの手塚康二キャリアサポート担当は「若い選手に対するアンケートなので、一般企業の会社員は、漠然として(具体的イメージが)分かっていないのかもしれない」と分析していた。【斎藤直樹】