清宮、連夜フェンス直撃打の裏に妥協なき居残り特打

日本ハム対ラミゴ 5回裏日本ハム2死、中越え二塁打を放つ清宮(撮影・黒川智章)

 日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)が1日、札幌ドームで行われた台湾・ラミゴとの練習試合で2日連続となるフェンス直撃二塁打を放った。中田翔内野手(28)に代わって4回の守備から一塁で登場。5回2死走者なしの第1打席で、センターオーバーを仕留めた。3打数1安打で、チームの7-0の勝利に貢献。スーパールーキーは存在感を存分にアピールした。

 大雪に閉ざされた札幌ドームが、スーパールーキーの打撃に熱狂した。清宮が、連夜の快打だ。

 スタメン出場した前夜から一転、この日は4番中田に代わって4回表の一塁守備から途中出場。5回2死走者なしで迎えた第1打席、元DeNAで台湾代表の左腕、王溢正の初球をフルスイングした。外寄りの136キロを左中間へ二塁打。腕をたたんで内角をさばいた前日は右方向、この日は外寄りの直球を捉えセンターやや左へ。前日より強い、ライナー性の打球を飛ばした。2日連続フェンス直撃打で出塁し「自分で作ったチャンス。絶対かえらないと」と、続く太田の中前打で50メートル走6秒3の足を飛ばしてホームベースに滑り込んだ。

 ファーストストライクには、めっぽう強い。本拠地デビュー戦となった前日2月28日も、カウント2-0からのファーストストライクを二塁打。それでも前夜、2打数1安打という結果には、満足していなかった。試合後は居残りで特打を敢行。「次の試合で100%の力を出せるように」と、ティー打撃でみっちり打ち込み、球場を出た時は夜の11時半近かった。決して妥協は許さない。この日も3打数1安打という結果に「もっとタイミングをちゃんと取れていたら」。前日、三振を喫していた投手相手に、2打席目で三邪飛に倒れたことを悔しがった。

 台湾ラミゴとの2連戦は5打数2安打と手応え十分だった。打たれた王溢正は「バットに当てる技術が高い。今の段階でもかなり、すごい打者」と舌を巻き、栗山監督は「みんなが思っていた通り、間違いないと証明してくれた」とたたえたが、清宮本人は「ちゃんと結果も出たので悪くなかった」と、あくまでクールだ。

 北海道は急速に発達した低気圧の影響で、朝から大雪。そんな中、1万3881人が球場に駆けつけて、“怪物”の目覚めを目撃した。まさに、雪を溶かすほどの熱気を生んだ背番号21。やはり1打席も、見逃せない。【中島宙恵】