新潟医療福祉大・漆原、優勝&プロ入りへ全力尽くす

プロ注目のエース漆原。150キロの速球を武器にチームをけん引する

 ドラフト候補のエースがチームを頂点に導く。関甲新学生野球リーグ1部の新潟医療福祉大は14、15日の第2節(白鴎大野球場)山梨学院大戦で、春季リーグ初戦を迎える。最速150キロの右腕、漆原大晟(4年=新潟明訓)にプロ複数球団が注目。最高学年の今年、初優勝とプロ入りの2つの夢をかなえる

 ゆったりとしたフォームの始動から右腕がしなる。そこから繰り出される直球が漆原の最大の武器。「ちょくちょく出ている」という最速は150キロ。今季初戦の山梨学院大戦に向けて、磨きをかけてきた。

 「今年は投げる試合で全部勝つ。そして優勝したい」。学生最後の年、誰もが認めるエースは初優勝に意欲をあらわにした。「それがプロ入りにつながる」。チームの目標達成と自身の将来をリンクさせる。

 2、3月に行った佐賀、千葉のキャンプにはセ、パ6球団が視察に訪れた。リーグ戦になれば、注目度はさらに上がる。昨春は右肩肩甲骨を痛め、不安をかかえてシーズンに入った。その反省から、今季は万全の体調に仕上げた。

 冬場に筋トレ、走り込みを重点的に行った。公称体重は78キロだが、実際は83キロ。昨秋のリーグ戦後から5キロアップした。直球、スライダー、カーブ、シュートと、持ち球すべての威力と切れが増した手応えがある。

 佐藤和也監督(61)は「今年は1試合1試合がプロ入りの就職試験」と、漆原にあえてプレッシャーをかける。実力的には申し分ない。ただ、「むらがある。いい投球をしていても、突然崩れて簡単に失点する」と安定感を求めた。

 漆原も承知している。「今年の自分のテーマは粘り強さ。精神面が大切」。昨年までは球速に頼り、1人で抑えようとする気持ちが表に出る場面が多かった。

 オープン戦、練習試合を通して意識を変えた。「味方に守ってもらう。ミスした後に気持ちを切り替える」。連打されても失点しなければOK、どんなにいい打者でも7割近くはアウトになる-。結果オーライのポジティブさをマウンドで表に出す。

 自身の成績は、チームの結果とプロへのアピールにつながる。「第一に試合に勝つことに集中する」。二兎(にと)をものにするため、全力を尽くすシーズンが始まる。【斎藤慎一郎】

 ◆漆原大晟(うるしばら・たいせい)1996年(平8)9月10日生まれ、燕市出身。粟生津小2年で野球を始める。吉田中では三条シニアに所属し、3年の時に全国リトルシニア選手権に出場。新潟明訓に進み、1年の夏に全国高校野球選手権に出場。新潟医療福祉大では、1年の秋季リーグ関東学園大戦で、1試合の連続奪三振リーグ新記録の11奪三振をマーク。あこがれのプロ野球選手は楽天則本昂大投手。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。