阪神秋山9K完投&適時打で5割復帰 5月再進撃だ

5回表DeNA2死三塁、柴田から三振を奪いガッツポーズする秋山(撮影・上田博志)

 アッキャマンあらためウルトラマン!? 阪神先発の秋山拓巳投手(27)が、チームの2連勝&5割復帰を導く投打のヒーローになった。投げては9奪三振1失点でチーム初完投。打っても中押し打を放つ大車輪の活躍を見せた。今回のDeNA3連戦は「ウル虎ユニホームお披露目試合」と銘打たれ、黄色を基調としたユニホームと帽子を着用。猛虎ナインがウルトラマンと化して5月の再進撃を目指す。

 27個目のアウトを取り、秋山が両手を上げた。まとわりつく汗も心地よさに変え、全身で喜びを表現。勝利を祝うジェット風船の奥で、笑顔が浮かんだ。9回6安打1失点、9奪三振。あとアウト2つで完封を逃し「ツメが甘いなと。僕らしいかなと思います」と笑った。それでも登板前に「1人で投げられたら」と目指していた通りの完投勝利。2年連続チーム完投一番乗りで2勝目を手にした。

 よみがえった直球を軸に、四隅と奥行きもフル活用。自らの適時打もあり、援護点にも恵まれる1人旅。5回には1死三塁のピンチを背負うも、梶谷、柴田を連続三振。ガッツポーズで走ってベンチへ戻った。「点差も開いていたし、6回くらいからは完投は意識していた」。テンポも良く、早打ちのDeNA打線を寄せ付けなかった。

 とび跳ねるような躍動感。秋山のフォームが戻ってきた。シーズンに入ってから、なかなか納得いく直球が投げられなかったが、それでも変化球を軸に懸命に試合をつくってきた。なんとかしたい-。雨で登板が流れ、前回登板からこの日まで中9日。この期間で向き合った。「自分で違和感のあったフォーム的なところ。いい形が見えてきた」。躍動感は直球がいい証拠。押して、ねじ伏せた。

 いい感覚のベースがあった。フォーム、ボールの質、配球。「去年と同じではダメなので」と、すべてに上積みを目指してオフを過ごした。新たな武器として取り組んだひとつにチェンジアップがある。オープン戦まで習得を目指したが、シーズンでは封印することに。ただ、ムダだったことはひとつもない。前でリリースしなければ投げられない球種。挑戦を続けるうちに感覚が養われ「直球が良くなった」。自分の現在地を見つめ、考える。進化の礎と変えていた。

 9連戦の4試合目で中継ぎを休ませ、チームは甲子園で半月ぶりに白星を挙げて連勝、借金も完済した。金本監督も「完投してくれたので、二重丸です」と最敬礼だ。「ウル虎イエローユニホーム」が映える夜。直球でチームを波に乗せた秋山が、輝いていた。【池本泰尚】