復活を期すマウンドでソフトバンク千賀が今季1勝目を挙げた。右肘周辺の張りのため4月6日楽天戦以来25日ぶりの登板だったが、7回を5安打1失点。116球でロッテ打線から10三振奪った。

 初球から152キロと直球の威力はあったが、制球が定まらず初回に1死一、三塁のピンチを招いた。救ってくれたのは育成バッテリーの相棒甲斐だった。ロッテは4番井上の2球目、重盗を仕掛けてきたが、飛び出していた三塁走者を素早い送球で刺した。千賀は「おかげですぐに試合感覚を取り戻すことができた」と感謝。お化けフォークの落ちがこの日は悪いと判断した甲斐のリードに応え、スライダー、スラーブ、カットボールと横に曲がる球を投げ分けロッテ打線を抑え込んだ。

 昨季最多勝(16勝)の東浜ではなく、さらなる成長を期待されて千賀が開幕投手に選ばれた。だが2試合で離脱。当初復帰予定だった4月22日の日本ハム戦に間に合わず、代役の若手投手陣がつかまり今季ワーストの11失点で敗れていた。それだけにこの日の復帰マウンドで打たれるわけにはいかなかった。工藤監督は「まだ100ではないが、投げられるようになってきたことが一番。ローテでまわるのが大事」と、エース復帰に笑顔だった。【石橋隆雄】