7割得票!ヤクルト石山MVP 1勝7S防0・00

日刊スポーツの「あなたが選ぶヤクルトの交流戦MVP」に選ばれた石山

<あなたが選ぶヤクルトの交流戦MVP>

 日刊スポーツの「あなたが選ぶヤクルトの交流戦MVP」投票で石山泰稚投手(29)が“人生初”のMVPに選ばれた。5月に抑えとなり、16試合連続無失点中。交流戦では10試合で1勝7セーブ、防御率0・00でチームを「日本生命セ・パ交流戦」の最高勝率に導いた。今日22日の巨人戦から再開されるリーグ戦でチームの勝利に身を賭す決意を示した。交流戦は21日に全日程を終了。通算成績で9年連続13度目の勝ち越しを決めていたパの最上位の2位オリックスから選出されるMVPは今日発表される。

 獲得投票数を耳にすると石山の声のトーンが上がった。「うわ。すごいですね! すごい、すごい」。全体の約7割近い投票数で「日刊スポーツ交流戦ヤクルトMVP」に選ばれた。ファンの声を熟読すると「野手の方たちがいい展開を作ってくれて、先発、中継ぎ陣の方がしっかり抑えてくれて僕にチャンスが生まれた。全員でとった(MVP)というのが強い。みんなに感謝したいです」と照れくさそうに頭を下げた。

 慣れない持ち場を自分のものにした。5月からクローザーとなり、16試合連続無失点。09年に五十嵐(現ソフトバンク)が達成した球団記録の25試合、その先の06年藤川(阪神)のプロ野球記録となる38試合も夢ではない。それでも「記録は意識してないです。ずっと0点でいくとは思っていません」と即答。「点を取られたら切り替えられるように頑張るだけです」。記録が途切れてズルズルいかないように備えている。

 当初は重圧に襲われ、毎日変化するコンディションにも戸惑った。だが「守護神」のやりがいと責任感で、不安を消し去った。「『体が張ってるから投げられない』なんて通用する世界じゃない。投げないと自分の仕事がなくなる。悪いなりに抑えられたのが積み重なって、その時でしっかり割り切れるようになった」。あれこれ考えすぎずに試合に入れるようになると、無駄な力みがなくなった。

 今日から再び混戦セ・リーグの幕が開く。「9回までつなげてもらったものを何とか抑えられるように。それだけです」と力を込めた。目標の守護神像はないが、1つの信念ができた。「自分のセーブよりチームが勝てばいい。セーブシチュエーションじゃなくても勝てたら投げたい。勝てば最後にみんなで笑えるので。本当にホッとして良かったなあと強く思うんですよ」。ただ勝利のために。守護神としての覚悟を備え、9回のマウンドに向かい続ける。【浜本卓也】

 ◆石山泰稚(いしやま・たいち)1988年(昭63)9月1日、秋田市生まれ。金足農-東北福祉大-ヤマハを経て12年ドラフト1位でヤクルト入団。1年目から60試合に投げ、10セーブ、21ホールド。17年は自己最多の66試合に登板し、24ホールド。今季年俸は4800万円(推定)。182センチ、75キロ。右投げ右打ち。

 ▼ヤクルトの交流戦の勝利投手は先発5勝、救援7勝と、交流戦1位チームで初めて先発より救援の勝ちが多かった。救援投手が勝っていたのは逆転勝ちが多かったから。交流戦前の44試合ではリーグ最少タイの7度も、交流戦ではリーグトップの6度だった。また先取点を挙げた試合の勝率が交流戦前の5割6分5厘(13勝10敗1分け)から8割1分8厘(9勝2敗)にアップ。10試合無失点の石山を筆頭に、勝ちパターンの投手が逆転を許さなかった。

 ◆あなたが選ぶヤクルトの交流戦MVP 交流戦のMVPは勝ち越したパ・リーグ球団から選出されるが、ヤクルトの初の最高勝率決定を記念し、ニッカンスポーツ・コムで「ヤクルト交流戦MVP」の投票を実施。最高勝率を決めた17日の午後6時から18日午後5時の投票期間で総数は5914票。1位の石山は約7割の4064票を獲得した。「石山が出てくれば大丈夫という安定感がすごかった!」(20代女性)「つばめの新守護神。石山なくては1位にならなかった」(40代女性)「マウンドに立った時の安心感が昨年とは全く違う! 中尾-近藤-石山のリレー負けない!」(50代男性)「打たれる気がしない」(80代以上女性)など多くの支持を得た。