<日本生命セ・パ交流戦:西武-DeNA>◇29日◇ベルーナドーム
西武長谷川信哉外野手(24)が29日、試合前の練習を終え、ロッカールームへと引き上げる。
思いのほか、神宮の前夜よりも足取りはゆっくり。並んで歩いても、足の長い長谷川に追いつこうと意識する必要もない。
少しだけ顔は晴れやかに見えた。しかし「すっきりは…しないですよ」と苦笑いだ。前夜、ミスをした。3万人近くにミスを見られ、数万数十万の人々にそれを知られている。
28日のヤクルト戦(神宮)。貴重な中押し本塁打を打ったが、中堅守備でフライを取り損ねた。左翼への痛烈なライナーを「捕球された」と思い込み、相手の落球に気付かずベンチへ戻ろうとしアウトになった。
長谷川は懲罰交代後、ベンチでは神妙な表情で一点を見つめる。一塁ベースコーチの熊代聖人1軍外野守備・走塁コーチ(37)も振り返る。
「守備はハセの能力を考えたら油断でしかないし、あれは許さんと。走塁のは僕も防げるところはあったので。僕も含めてのボーンヘッドです。そこは監督やヘッドにも自分から言いました」
2軍時代から指導してきた。「切り替えがうまくできない、引きずっちゃうことはある子」と表現する。期待も高いだけに、もどかしさも大きい。
長谷川のまっすぐな性格を周囲も感じているのだろうか。28日の試合中、長谷川をあえてそっとしておく選手は多かった。そっと背中や尻をたたいた桑原将志外野手(32)は言う。
「もうちょっと声掛けしたかったんですけど、彼も彼で、そういう状況じゃなかったと思いますし、たぶん言葉もなかなか入ってこないと思いますし。僕も経験あるんで、ボーンヘッドとか若い時は。だから言葉では無理やったんですけど、表情とかで。さっき『今日からまた頑張ろう』とは声掛けました」
周りに支えられながら、時には怒られながら、若手は成長していく。長谷川はこの20時間ほどを振り返る。
「うーん、まぁ、こうやって、なんて言うか、怒られるって言ったらあれですけど注意してもらったり、ファンの方の怒っているようなコメントとかを見ると、期待値がすごく大きい分、そういうところまでしっかり見てもらっているし、その分プレッシャーもありますけど、それが大きな原動力になっているので、またそこに気づけたのは良かったです」
一夜明け、本拠地ベルーナドームでのDeNA戦を戦う。スタメン出場する。
「子どもたちに夢と希望を届ける職業なので。また憧れてもらえるような選手になっていくためには、小さいなミスというのもなくしていかないと」
この世界で戦う以上、冒険に終わりはない。【金子真仁】