【ボクシング】岩田翔吉、最強挑戦者に圧勝「1年前のフラッシュバックが」トラウマ乗り越え成長

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 防衛に成功しベルトを肩に記念撮影する岩田翔吉(撮影・滝沢徹郎)

<プロボクシングWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇20日◇東京・両国国技館

WBC世界ライトフライ級王者の岩田翔吉(30=帝拳)が“鬼門”の初防衛に成功した。同級1位エリック・バディージョ(30=メキシコ)の左強打を浴びて4回に人生初ダウンを喫したが、その後はボディー攻撃からのラッシュで圧倒。11回に一気の連打でレフェリーストップ勝した。WBO王者時代に失敗したV1戦をクリアして、熱望する世界王者同士のビッグマッチへ前進した。

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最強挑戦者に圧勝して、岩田が成長の証を見せた。不用意な左フックを浴びた4回のダウン以外は「プラン通り」。6回以降はスタミナ自慢のバディージョの腹に右強打を突き刺してラッシュ。11回2分すぎ、ロープに後退させて連打をまとめたところでレフェリーが試合を止めた。

「悔しい思いをした両国で1年前のトラウマのフラッシュバックがありましたが、いい準備ができて、試合で出せてよかった」。試合後、岩田は喜びよりもホッとした安堵(あんど)の顔で試合を振り返った。

WBO王者時代の昨年3月、サンティアゴ(プエルトリコ)に判定で敗れて初防衛に失敗した。「だから今回は王座奪取と初防衛戦はセット。(今年3月にノックアウト・CPフレッシュマートから王座奪取後の)1週間後には練習を再開した」。勝利の美酒に酔うことなく、再び心身にむちを入れた。

サンティアゴの技巧と防御技術に自慢の強打が空砲に終わった教訓も生かした。徹底して足を駆使した出入りに磨きをかけた。その足でバディージョに的を絞らせず、コツコツと自分の強打を打ち込んだ。「人生初ダウンにはヒヤッとしたけど、自分の攻撃を食らい続けたら絶対にダメージが蓄積してくると思っていた」。

今後は世界王者同士のビッグマッチを目指す。WBA、WBO同級王者のサンティアゴや、米メディアを通じて対戦を要求した1階級下のWBA、WBO世界ミニマム級統一王者コラーゾ(プエルトリコ)も対戦候補。「自分はいつでもやるぞという気持ち」。鬼門をクリアした岩田が、いよいよ円熟のボクシング人生を迎える。【首藤正徳】

◆岩田翔吉(いわた・しょうきち)1996年(平8)2月2日、東京都生まれ。9歳の時、総合格闘家の故山本“KID”徳郁さんのジムで格闘技を開始。中学2年でボクシングに転向し2、3年時にU-15全国大会を制覇。東京・日出高(現日大目黒高)3年時に高校総体で優勝し早大進学。18年12月、米カーソンでプロデビューし4回TKO勝ち。19年2月に帝拳ジムから国内プロテストを受験し合格。21年11月に日本ライトフライ級王座、22年7月に東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック同級王座を獲得し3冠王者に。24年10月にWBO世界同級王座獲得。身長163センチの右ボクサーファイター。

◆世界ライトフライ級戦線 WBA、WBO統一王者レネ・サンティアゴ(34=プエルトリコ)は現在、WBAから同級1位吉良大弥(23=志成)との指名試合を義務づけられている。今年4月、元WBO世界ミニマム級王者谷口将隆(32=ワタナベ)に判定勝ちして以来の防衛戦決定が待たれる。またIBF王者タノンサック・シムシー(26=タイ)は9月26日、静岡・ふじさんめっせで同級13位マーク・ビセレス(30=駿河男児)との2度目の防衛戦が決定している。

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