【ボクシング】増田陸「漢をみせろ」大和心トレーナーからゲキ飛ばされ競り勝ち世界王座獲得

WBA世界バンタム級王座決定戦 比嘉大吾に判定勝ちした増田陸(撮影・宮地輝)

<プロボクシング:WBA世界バンタム級王座決定戦12回戦>◇20日◇東京・両国国技館◇観衆7500人

WBA世界バンタム級1位増田陸(28=帝拳)が初挑戦で世界王座獲得に成功した。同級2位比嘉大吾(30=志成)との王座決定戦に臨み、2-1の判定勝利。接近戦を仕掛けた比嘉に対し、ワンツーを軸としたスタイルを貫き、競り勝った。23年8月にプロ初黒星を喫した休養王者・堤聖也(30=角海老宝石)との統一戦による再戦を希望した。寺地拳四朗(34=BMB)は日本8人目の3階級制覇を達成。WBC世界ライトフライ級王者岩田翔吉(30=帝拳)は初防衛に成功した。

   ◇   ◇   ◇

12戦目でつかんだ世界ベルトを手にした増田は「重たいベルト。率直にうれしい」と笑みをこぼした。ガードを固め、接近戦を仕掛けた元世界王者の比嘉に対し、左ストレートを軸に攻め続けた。相手得意の左フックに対処。自身初体験の11、12回はコンビを組む大和心トレーナー(50)に「漢(おとこ)をみせろ」とゲキを飛ばされ、前に出た。判定が割れる接戦だったが、競り勝った。

最大の武器となる左ストレートを封じられ「KOで勝ちたかった。自己採点は60点」と気を引き締めた。それでも東京6大学ボクシング部最古の1923年(大12)創部となる立大出身初の世界王者となり「もっと練習して本当に強くなります」と新王者として強い決意を示した。

やんちゃ少年だった中学2年の時、担任の先生から勧められた百田尚樹著書のボクシング小説「ボックス!」を読み、ボクシングに興味を持った。地元ジムに通い、広陵高に進学。立大に進むと当時早大に在籍した同門の岩田翔吉と出会って意気投合し、同じ所属先を選択した。

当初はスーパーフライ級選手だったが、23年のバンタム級トーナメントに参戦。準決勝で当時の日本同級王者堤聖也に判定負けし、初黒星を喫した苦い経験がある。現WBA休養王者堤との統一戦を希望した増田は「リベンジというよりリマッチ。お互いが王者で戦うとどうなるか。真の王者になりたい」と目をぎらつかせた。【藤中栄二】

◆増田陸(ますだ・りく)1997年(平9)9月23日、広島市生まれ。広島・安佐南中時代に地元ジムで競技をはじめ、広陵高を経て立大進学。アマ戦績は52勝14敗。22年7月、1回KO勝ちでプロデビュー。24年2月にジョナス・スルタン(フィリピン)を1回KO勝ちし世界ランク入り。同年7月、富施郁哉(ワタナベ)を4回KO撃破し、日本バンタム級王座を獲得。26年3月、元5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)に8回TKO勝ちし、WBA同級挑戦権獲得。趣味は読書と旅行(ヒマラヤ登山など)。身長168センチの左ボクサーファイター。血液型はO。

◆世界バンタム級戦線 WBAにはスーパー王者にジェシー・ロドリゲス(26=米国)、休養王者堤聖也(30=角海老宝石)がいる。ロドリゲスは年内にWBO王者クリスチャン・メディナ(26=メキシコ)との統一戦を計画中。WBC王者井上拓真(30=大橋)は5月に井岡一翔(37=志成)との初防衛戦に成功。同級1位那須川天心(27=帝拳)は4月、元2階級制覇王者フアンフランシスコ・エストラダ(36=メキシコ)との挑戦者決定戦に勝利。IBF王者ホセ・サラス・レイジェス(24=メキシコ)は昨年12月の王座決定戦に勝利して以降、防衛戦はしていない。

【ボクシング】増田陸が世界初戴冠 寺地拳四朗3階級制覇 岩田翔吉初防衛 トリプル世界戦/詳細