井上尚弥V6、米国デビュー戦で鮮やかTKO勝ち

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、同級7位アントニオ・ニエベス(30=米国)に6回終了、相手陣営の棄権によるTKO勝ちで6度目の防衛戦に成功し、米国デビューを飾った。

 井上は燃えるようなオレンジ色の短髪でリングイン。引き締まった表情でニエベスを見据えた。そして試合開始22秒で左フックを当てると、そこから左、右のワンツーを2回打ち込んだ。さらに2分23秒に右ストレートでニエベスをロープに吹っ飛ばした。

 両手で顔からボディーまでをスッポリ覆う、カメのようなニエベスのガードのスキを突こうと、ひたすら追い続けた。そして5回、1分43秒の左をボディーに突き刺し、この日最初のダウンを奪うと、その後も右を織り交ぜつつ、強烈な左ボディー8発をたたき込み、ニエベスを一気に追い込んだ。

 そして6回、ニエベスを追い続けて左右を当て続けると、終了後に相手陣営が棄権した。

 日本人の米国でのタイトル戦は68年に始まり、KO勝ちしたのは、80年にWBA世界ジュニアライト(現スーパーフェザー)級で6回KO勝ちした上原、14年にWBO世界バンタム級王座を7回KOで防衛した亀田和だけだったが、26試合目で3人目となった。