元WBC世界バンタム級王者辰吉丈一郎(47)の次男でプロボクサーの辰吉寿以輝(21=大阪帝拳)が8戦目を3-0判定勝ちとし、全勝(5KO)を守った。
対戦相手の石橋俊(30=仲里)はデビュー丸13年。昨年3月に対戦予定だったが、2月に辰吉が左拳を痛め、キャンセルした経緯がある。この日は、プロ33戦(10勝22敗1分け)のベテラン相手に、流れをつかみきれなかった。
「ベテランの意地ですかね。ボクシングほど戦績があてにならん競技はない。倒したかったけど、気持ちが前に出すぎました」。それでも、リズムに変化を持たせるなど、多彩で速い左ジャブや、左右の連打で相手をロープ際に追い込む場面はあった。「今まで、あんなにジャブは当たらんかった。得るものはすごく多かったです」と手ごたえを得たことを強調した。
父の丈一郎が、当時国内最速で世界王座を奪ったのが、プロ8戦目だった。リング上の勝利者インタビューで「『辰吉丈一郎』として、プロボクサーとしてはあり得ないほどすごい。でも、おやじとしてはちょっとね…」と話し、場内の笑いを取ったが、その父はこの日、リングサイドで観戦。「一本調子。プロならお客さんを納得させんとね。あれじゃ、お金は取れん。(まだ)相手を倒すコンビネーションじゃない」と手厳しかったが、それも期待の大きさの裏返しだろう。
辰吉は今後、日本&東洋太平洋タイトル奪取に動きだす。吉井寛会長は年内に同ランカーと初めて試合を組み、ランキング入りを計画する。「会長がOKを出してくれたら、僕はいつでもいい。今年も全勝でいきます」。カリスマのDNAを継ぐ男が、加速する。