<RIZIN33>◇31日◇さいたまスーパーアリーナ
サッカー元日本代表FWカズの次男、三浦孝太(19=BRAVE)がデビュー戦を白星で飾った。
第1試合で登場し、元ホストのYUSHI(33)に宣言通りのサッカーボールキックを決めて、1回TKO勝ち。見守った両親の前で、カズダンスの締めのポーズを決めて歓喜した。試合後は、格闘技界のキングを目指すと宣言した
勝利を飾った三浦孝太はリングで右膝をつき、右腕を高く上げた。サッカー界のレジェンドである父の代名詞「カズダンス」。三浦は試合後、「(カズダンスをしなかったことは)悩んだが、お父さんが誰よりもサッカーを愛して作り上げてきたもの。僕が簡単に踊っていいものではないので(最後の)、ポーズだけまねしました」と話した。
キングの遺伝子を存分に発揮した。先に仕掛けたのはYUSHIだったが、グラウンドの攻防になっても落ち着いていた。フロントチョーク、三角絞め、腕ひしぎ十字固めなど、次々と技を披露。相手の体力を削ると1回3分、フィニッシュで左足の強烈なサッカーボールキックで一閃(いっせん)。試合前の宣言通りの一撃で沈め、「うれしすぎて覚えていない。今まで生きてきて一番うれしい瞬間だった」と歓喜の表情をみせた。
堂々の総合格闘技デビューだ。「昨日もぐっすり眠りました。緊張はまったくなかった」。3万人の観衆を前にしても、中継カメラを向けられると決め顔を見せるなど、デビュー戦とは思えない立ち居振る舞い。19歳の背中に、15歳でブラジルに単身で渡り、18歳でプロ契約を勝ち取った父譲りの精神力が垣間見えた。
18年9月、三浦は1人の観客として、さいたまSAのスタンドにいた。那須川と堀口が激突した13大会、トップ同士の戦いを目の当たりにしたサッカー少年は、「格闘技の魅力にひかれていった」とプロを志した。同年、シドニー五輪レスリング日本代表宮田和幸氏のBRAVEで練習をスタート。「逃げにしか思えない」と大学進学はやめ、最低でも週6日、午前と午後の2部練習で総合格闘技のスキルを磨いてきた。19年7月から打撃の指導を受けるボクシング元王者の葛西裕一氏を「(ボクシングの)日本王者になれる」とうならせた高いポテンシャルをひっさげ、人生を変えるきっかけとなった思い出の地に、「ファイター」として帰ってきた。
試合後には、リング上で「格闘技界のキングになれるように一生懸命頑張ります」と、父のようなスターになることを宣言した。大みそかでのデビューが決まった際は批判の声もあがったが、ひたむきな姿勢はすぐにファンの心をつかんだ。「応援が力になった」と感謝。格闘技界のキングを目指す19歳が、大きな1歩を踏みしめた。【勝部晃多】