<新日本:WRESTLE KINGDOM 18>◇4日◇東京ドーム
昨年12月23日に選手兼任で新日本プロレスの社長に就任した棚橋弘至(47)が「社長1勝」をマークし「社長初タイトル」を獲得した。
「NJPW WORLD認定TV選手権試合」で、16度防衛中の王者ザック・セイバーJr.(36)と対戦。テクニシャンのセイバーJr.と抑え込み合戦となったが8分53秒、3カウントを奪った。
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棚橋が社長のイメージとはかけ離れたキレのある動きを見せた。序盤から腕の取り合い、グラウンドでの攻防と、素早い身のこなしでセイバーJr.と渡り合った。棚橋が低空ドロップキックを繰り出し、テキサスクローバーホールドを狙えば、セイバーJr.は三角絞め、腕ひしぎ逆十字固めなどで対抗。息をのむような戦いが続いた。
8分過ぎ、2人で転がりながらの抑え込みの切り返し合戦。互いに何度もはね返したが、最後は棚橋がセイバーJr.から強引に3カウントを奪って勝利した。社長就任後初戦となった2日のノア有明アリーナ大会ではタッグマッチで敗れていた。この日が社長就任後の初勝利。そして初のタイトル獲得となった。
試合後もさすがだった。勝利の余韻に浸りながらも、まずは経営者の顔を見せ「リングから見たところ、本当に多くのお客さまが来てくれて、うれしかった」と東京ドームの盛り上がりぶりをまず喜んだ。
社長と選手の両立。棚橋は「大谷(翔平)選手の二刀流がトレンドのワードにありますけども、ある意味で社長とレスラーも棚橋流の二刀流」と大リーガー大谷翔平投手の名前を挙げた。そして「いろんなところで無理が生じてくるんじゃないかと思われるかもしれないですけど、大丈夫です。棚橋は疲れないから」と断言。新日本プロレスの社訓にも「疲れない」がプラスされると笑顔で話した。
兼任とはいえ社長に就任したことで、選手としては徐々にスローダウンしていくのではという見方もある。棚橋はそんな見方にも異を唱えた。「TV王座、ザックは17回(目の防衛戦)か。それを超えるような記録をやっていけば、レスラーとしての活動に限りはでない」と話し、同タイトルに加えてIWGP世界ヘビー級王座も狙うと宣言した。
「オレの夢だね。レスラーとしての。(IWGP)世界ヘビーに2度挑戦したけども届かなかった。このオレがトップを目指す限り、まだまだ棚橋引退はないから、安心して。全力で応援していただいて構いません。応えるから」。新社長はたのもしい言葉で締めくくった。【千葉修宏】
◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日、岐阜・大垣市生まれ。99年に立命館大法学部を卒業後、新日本プロレスに入門。同年10月にデビュー。06年、IWGPヘビー級王座を初戴冠。09年、11年、14年、18年にはプロレス大賞MVPを獲得するなど「エース」として団体をけん引。19年にはIWGPヘビー級王座最多戴冠記録(8回)を樹立。23年末に社長に就任。趣味は筋トレで、新日本プロテインを監修。読書好きでもあり、お気に入りのフレーズをメモして自身のマイクパフォーマンスに役立てている。181センチ、101キロ。