井上尚弥、歴代最多22KOで統一王座3度目防衛 ラスベガス再上陸&サウジ進出へはずみ

4回、TKOで王座を防衛する井上尚(撮影・江口和貴)

<ボクシング:4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇24日◇東京・有明アリーナ

統一王者井上尚弥(31=大橋)が防衛(WBAスーパー、IBF3度目、WBC、WBO4度目)に成功した。

WBO世界同級11位金芸俊(32=韓国)の挑戦を受け、右ストレートでダウンを奪って4回2分25秒、KO勝利。4団体統一王者として歴代2位の3度目防衛成功で、現役最多となる世界戦通算24勝に到達した。国内開催の世界戦では19年ぶりとなる日韓戦で快勝し、今春の米ラスベガス再上陸、高額報酬が期待できるサウジアラビア進出へはずみをつけた。

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豪快な右で「日本人キラー」を吹っ飛ばした。4回、井上は対日本人戦7勝無敗の金から「こい」と右手で挑発を受けると、素早い左ジャブから強烈な右ストレートを顔面にねじ込んだ。ロープ際まで後退して倒れ込む金を見届けた。1カ月延期、試合2週間前の挑戦者変更のトラブルを乗り越え、自身初、国内開催の世界戦で19年ぶりの日韓戦を制した。

「(金の挑発に)ちょっとムッとしました。絶対に倒してやろうと。そんなことしなければいいのにと。いつもよりも被弾するパンチが多かったのは急きょ相手が変わり対策不足。確認しようかなと。全体的な内容としては良かった」。

これで国内単独記録を伸ばす世界戦10連続KO、世界戦での22KOは元ヘビー級王者ジョー・ルイス(米国)と並ぶ歴代最多だ。

1カ月延期のメリットもあった。井上は「長い期間をかけて体を仕上げるのは自分にとってプラス」と口にした。調整を見守ってきた所属ジムの大橋会長は「ずっとヒザの動きが硬いと感じていたが、この期間で完全に戻した。フックなど右のキレが増した」と明かした。勝負を決めたのは、やはり右だった。

試合後、契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社CEOとなるボブ・アラム氏(93)から今春、米ラスベガスで防衛戦を組むと明言された。21年6月以来となる1万人以上収容のアリーナクラスの大きな会場でメインを務めることが確実。井上は「25年、海外での試合を目指している。今年の春、ラスベガスで試合をしたい」と世界的プロモーターからのオファーにファンの前で応じた。

昨年11月、推定総額30億円とされるサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を締結した。初めてトランクスに「リヤド・シーズン」のロゴが入った初戦だった。試合契約こそ結んでいないものの、サウジアラビアでも高額報酬の試合オファーが届く。国内外で注目を受け、その動向は世界中から熱視線を送られる立場だ。

「ボクサーとしての完成度は自分でも測れない。キャリア最終までレベルアップする練習を続けたい」

モンスターの向上心は無限だ。【藤中栄二】

井上尚弥4回KOで3度目防衛、日本人キラー倒し国内世界戦19年ぶり日韓戦制す/ライブ詳細