<プロボクシング:WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇30日◇横浜BUNTAI
WBA世界バンタム級2位比嘉大吾(29=志成)が同級正規王者アントニオ・バルガス(28=米国)に挑戦。ジャッジ3人全員が113-113をつけるドローに終わり、王座奪取はならなかった。試合後には引退を表明した。
比嘉にとって判定負けした昨年9月の武居由樹戦、ドローだった今年2月の堤聖也戦に続く、日本人初の3戦連続世界挑戦だったが“三度目の正直”はならなかった。試合後には「自分自身の中では負けと一緒。3度目(の世界戦)があったってことは、チームだったり、プロモーターだったりがあって、3回目を組んでもらって。それで結果、出せなかったら自分の中では終わりだと思っていたので。はい、引退します」と引き際を表明した。
4回に強烈な左フックでダウンを奪ったが、最終12回にダウンを奪い返されての引き分け。約7年3カ月ぶりの国内最長ブランクでの世界王座返り咲きとはならず「まあ自分らしいかなとは思います。あそこ(12回)で行かないよりは前行って、それで倒れたのも自分らしいかなと思います」と複雑な表情で話した。
通算21勝3敗3分け(19KO)。WBC世界フライ級王者だった18年4月、3度目防衛戦を前に体重超過で王座を剥奪されるなど、波瀾(はらん)万丈のボクシング人生を過ごしてきた。それでも、良いことも不運もそばで見てきた野木丈司トレーナーは「こんな選手と一緒にずっと生きてこられて幸せでした。素晴らしい選手だったと思います」と感謝した。比嘉は最後、試合後会見を報道陣の後ろで見ていたアマ時代からの“戦友”、WBA世界バンタム級休養王者の堤に「頑張って」と声をかけて去っていった。【千葉修宏】