白鵬まさか“カモ”宝富士に黒星「ちょっと空回り」

宝富士(右)に寄られ、あっけなく土俵を割る白鵬(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

 あっけなかった。白鵬が過去10戦全勝と“カモ”にしていた宝富士に、見せ場なく敗れた。右を差せず、引いて呼び込むと、相手得意の左四つに。土俵際で突き落としを狙うも、寄り切られた。わずか4秒1。3日目から休場した昨年秋場所以来の黒星発進に、土俵下ではぼうぜんと口を開いた。

 「途中で引いちゃいましたね。ちょっと空回りしましたね。何か重い感じがした」。

 14日目から黒星を続けて優勝を逃した先場所から数えると3連敗。嫌な予感があったのか、立ち合いでは珍しく集中力も欠いていた。「手をついてなかったよな、オレ。待ったと思った」。中途半端に立ったことが、命取りになった。

 11日で31歳になった。東京から来た家族に誕生日を祝福されたが、史上最多35度の優勝を築いてきた体は少しずつ、ひずみが出始めている。昨秋の左膝に続き左肘を痛め、この日は右肘にサポーターを巻いていた。「左が良くなったら今度は右だな」とこぼした。

 横綱勝利数も、足踏みが続く。亡くなった北の湖前理事長に並ぶ歴代1位670勝のままで、抜け出せない。何よりも4場所ぶりの優勝へ、苦難の船出となった。【木村有三】