千代の国が十両優勝「だけど、最後が情けないっす」

十両優勝の千代の国(撮影・神戸崇利)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇22日◇両国国技館

 2人に絞られた十両の優勝争いは、先に取った新十両で2敗の佐藤(19=貴乃花)が敗れ4敗と後退した時点で、2敗だった千代の国(25=九重)の優勝が決まった。

 優勝が決まった後に臨んだ輝(21=高田川)との一番は、相手を土俵際に追い込み、突き出したように見えた。行事軍配も千代の国に上がったが、物言いが付き協議の結果は、千代の国の左足のつま先が俵の外に先に出ており、軍配差し違いで輝の勝利。「優勝はうれしいけど、最後が甘いっす。情けないっす」と詰めの甘さを嘆いた。

 とはいえ今場所は、敗れた相撲で師匠の九重親方(元横綱千代の富士)から「頭と足を使え!」とハッパをかけられた以外は「真っすぐ当たって突き放して、攻撃的な相撲。満足しています」と自分でも納得の様子。要因として「今場所は初めて、初日から穏やかな気持ちで、余裕を持って臨めた。周りもよく見えるし、ガムシャラもいいけど、この方が1発1発を的確に相手に当てられる」と振り返った。

 来場所は、8場所を経験した幕内への返り咲きが確実。両膝半月板損傷や肩の故障など度重なるケガで、西三段目28枚目まで落ちた。返り咲けば、戦後では史上2番目の「低い地位からの再入幕」になる。「(今場所の)幕内の番付を見たら『強いなぁ~、どうしよう』なんて思います。壊されない体を作るために、毎日、しっかり前を向いて稽古します」と心を新たにしていた。