隠岐の海「カモ」記事覆しご機嫌、綱取り稀勢沈めた

隠岐の海(左)は寄り切りで稀勢の里を破る(撮影・神戸崇利)

<大相撲秋場所>◇初日◇11日◇東京・両国国技館

 東前頭筆頭隠岐の海(31=八角)が、綱とり大関にいきなり土を付けた。稀勢の里(30=田子ノ浦)に対してもろ差しになると、逃げる大関を回り込んで攻め立てて寄り切り。「まあ明日、これからです。たまたまいいところに入ったので」と謙遜しつつ「大関も初日で乗っていきたいと思っただろうし、この環境で勝たないといけないのはきついと思う。大事な初日だし、逆にチャンスだと思って。なかなか勝てないから、良かったです」と、相手の綱とりの重圧を好機に変えた。

 実は他にも、発奮材料があった。

 「どこかの新聞に『隠岐の海はカモ』って書いてあったから、調べたんです。『利用しやすい』って。カモがネギを持ってきたら、鴨鍋になる。カモって…人間だし」

 独特な言い回しで表現して1年ぶりの勝利をもぎ取り「ネギ背負って来ようかな」と話すなどご機嫌だった。