日本相撲協会は6日、初場所(8日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議を開き、新関脇の正代(25=時津風)は、初日に横綱白鵬、2日目は西前頭2枚目の荒鷲と組まれた。白鵬とは、わずか2秒7で敗れた昨年夏場所以来2度目の対戦。当時の悪夢がよぎったのか、正代は弱気発言を連発した。
思わずのけぞった。初日の相手が白鵬に決まったことを知ると、正代は稽古場で「え~」と目を丸くした。
「緊張はしますけど、いつも通り自分の相撲を取れたら」「(年末の稽古総見で)胸を出していただいたので、その成果を横綱に感じてもらえるように頑張ります」「前に攻めていきたい」。テレビカメラの前ではあくまで前向きに、平然を装った。だが、頭の中は悪夢がよみがえっていた。
昨年夏場所4日目だった。初の結びで正代コールを浴びながら、初対決。右手で顔を張られ、左のど輪で起こされるとわずか2秒7で押し出された。さらに、駄目押し気味に土俵外まで吹っ飛ばされた。「片手しか触ってない」と振り返る通り、白鵬の体に触れたのは一瞬だけだった。
そんな苦い記憶が、元来のネガティブな性格を目覚めさせた。「左を差しても、右を差しても勝てない」とポツリ。師匠の時津風親方(元前頭時津海)に「あっけなく負けるのだけは、やめてくれよ。勝つとしたら一気に出るしかない」と励まされても「けがなく生還したら、いいんじゃないですか」と返すしかなかった。2度目の対決で、成長を見せることはできるのか。大相撲新年初日の注目カードになる。【木村有三】
◆正代のネガティブ 15年名古屋場所後の新十両昇進会見で対戦したい力士を聞かれ「全然ない。できればみんな当たりたくない。対戦を想像すると緊張する。飯も食えない」と弱気発言を連発。同席した師匠の時津風親方に「バカじゃないの」とあきれられた。ただ出世を重ね徐々に前向きになり、昨年九州場所後には「三役のその上を目指して精進したい」と発言している。