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第8回イングランド大会

イングランドが全権監督でV

 ジュール・リメ杯盗難、アジア、アフリカ諸国のボイコットなど大会前から問題が山積したイングランド大会は、本大会も波乱続きだった。

 3連覇を狙ったブラジルは、欧州各国が仕掛ける激しい中盤のプレスに苦戦。エースのペレがポルトガル戦で負傷欠場に追い込まれ、1勝2敗でまさかの1次リーグ敗退に終わった。イタリアも、1次リーグ最終戦で北朝鮮に0-1と敗れ、大会を去った。

 その中で、地元イングランドは順調に勝ち進んだ。50年ブラジル大会に右サイドDFで出場し「将軍」の異名をとったアルフ・ラムゼーが、選手選考は協会が行うのが普通だった時代に自ら代表選手を選ぶ「全権監督」として指揮。自信過剰だと、主将のDFボビー・ムーアを一時代表から外すなど強権を振るった。

 ラムゼー監督は、1次リーグで負傷したエースストライカーのグリーブスに代え、決勝トーナメントはハーストを起用。グリーブスは西ドイツとの決勝を前に復帰したが、ハーストを起用し続けた。期待にこたえた24歳の若武者は、W杯史に残る「疑惑のゴール」を決め、W杯決勝で唯一ハットトリックを達成した選手となった。

 前半19分同点ヘッドを決めたハーストは、延長前半10分MFボールの右クロスを右足でシュート。バーの下を直撃したボールは、地面に跳ね返ったボールを西ドイツDFヴェーバーがクリアした。ディーンスト主審の判定は「ゴール」。ボールがゴールラインを割っていたかどうかは、ビデオなどの検証が行われた現在も解明できていない。

 その後ハーストは、試合終了直前にカウンターから3点目をマーク。34年イタリア大会決勝以来32年ぶりの延長戦を制したイングランドは、同大会のイタリア以来となる開催国優勝を飾るとともに、母国として初めて世界の頂点に立った。

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本田圭佑

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