ブラジルW杯特集

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第12回スペイン大会

ポーランドが見せた最後の輝き

 王座を奪回したイタリアや西ドイツ、フランスとともに、82年大会で忘れてはならない欧州の強豪国がある。堅い守備からのカウンター攻撃を持ち味に3位となったポーランドだ。

 ズムダ、ラトーら74年西ドイツ大会出場組と、MFボニエク、FWスモラレクら若手がバランスよく融合し、3大会連続の2次リーグ(L)進出と安定した実力を発揮した。

 イタリア、カメルーン、ペルーと同組だった1次Lを1勝2分けで1位通過した。2次L初戦はボニエクのハットトリックで3-0とベルギーに大勝。続くソ連と引き分けて進んだ準決勝でイタリアに0―2と敗れたが、3位決定戦では3-2とフランスに逆転勝ちした。74年大会に続き、優勝チームに敗れての3位と大健闘だった。

 だが、この大会がポーランドにとって「最後の輝き」になってしまった。86年メキシコ大会は決勝トーナメント1回戦で0―4でブラジルに大敗と振るわず。89年には共産政権の崩壊、民主化に伴い、社会主義時代のような国家的財政支援によるステートアマが姿を消す。資金難の国内リーグが衰退し、代表チームも02年日韓大会まで世界の舞台から遠ざかることになった。

 東欧諸国の勢力が陰りをみせる一方で、スペイン大会を彩った西欧と南米にその後のW杯の覇権が渡った。天才マラドーナ(アルゼンチン)マテウス(西ドイツ)ら次世代のスターもこの大会でW杯デビュー。新方式導入による門戸拡大、近代サッカーへの移行...。82年大会が、時代の大きな転換期となった。

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本田圭佑

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