ブラジルW杯特集

大会データ

ホーム

W杯ヒストリー

第13回メキシコ大会

母国のフェア精神が生んだ5人抜き

 「神の手ゴール」。明らかに意識してのハンドでのゴールにもかかわらず、マラドーナは悪びれるそぶりは見せなかった。

 イングランドGKシルトンが自分の手を振りかざしながら、主審に抗議する。しかし、主審も線審も、ヘディングでのゴールという判定だった。ハンドという疑いを全く持たなかった。大男のシルトン、ずんぐりむっくりのマラドーナの空中戦は、常識的に考えれば「ハンド以外にあり得ない」となる。思わず「ハンドだ」と声に出して立ち上がってしまったが、判定が覆るはずもなかった。

 3分後。興奮が冷めやらぬうちに、今度は正真正銘の素晴らしいゴールが生まれた。マラドーナだった。自陣中央右サイド、ボールを受けたマラドーナはドリブルを始めた。得意の左足だけのドリブルだった。直線的に短く、フェイントを加え、イングランドDF陣がスライディングで止めようとするが、ひらりひらりとかわし、そこだけ時間が止まってしまったかのようにスローモーションで動いていた。マラドーナとイングランドDF勢以外は観客の目に入らなかった。再びGKシルトンが飛び込んできたが、軽くステップを踏んで、ゴールに流し込んだ。

 マラドーナのドリブルとフェイントも素晴らしかった。だが、イングランドDF陣がレッドカード覚悟でファウルをすれば止められたであろうが、しなかったことが「5人抜き」を伝説にまで高めていると思う。サッカーの母国イングランドとしては「神の手」の後だけに、クリーンなプレーを心掛けたと受け取った。【86年大会取材・黒木博一】

Get Adobe Flash player

本田圭佑

ニュースランキング

ゴール再現アニメサムネイル

3Dでゴールシーン

▶ドイツ4度目世界一!ゲッツェV弾を3Dで再現

ニッカンサッカーへ

日刊スポーツのサッカー会員制サイトサッカー・プレミアム

ニッカンサッカー - 有料サイト終了のお知らせ : 日刊スポーツ

◆ニッカンサッカー サービス終了のお知らせ

有料サイト『ニッカンサッカー』は、2023年12月31日をもちまして、すべてのサービスを終了いたしました。

有料登録されていたお客様は自動的に退会となっております。

永らくご利用いただきまして、誠にありがとうございました。

なお、ご不明な点につきましては、下記までお問い合わせください。

ニッカンサッカー問い合わせ
nsc-mob@nikkansports.co.jp (メールソフトが立ち上がります)

2024年1月1日

日刊スポーツ新聞社

(C) Nikkan Sports News.

PAGE TOP