演技部門20人が全員白人…人種問題で批判相次ぐ

 28日に発表・授賞式が開かれた米アカデミー賞は昨年に続いて演技部門の候補20人が全員白人となり、著名人からボイコット表明が出るなど批判が噴出、授賞式でも人種問題に絡む皮肉や賞をやゆする発言が相次いだ。

 「レヴェナント 蘇えりし者」で監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ氏は、自らの作品中の有色人種に対する差別的なせりふを引用し「(今が)私たちの世代にとって全ての偏見から解き放たれる好機だ。肌の色を髪の長さと同じぐらい、取るに足らないものにしよう」と受賞スピーチで述べた。

 司会に起用された黒人コメディアン、クリス・ロック氏は開会早々「私はアカデミー賞、またの名を『白人によって選ばれた賞』の会場にいます」「毎年、黒人の候補が必要なら黒人の受賞カテゴリーを作ったらどうだい」などと得意の毒舌でやゆした。

 米メディアによると、会場付近では黒人運動の有力指導者シャープトン師らによる抗議デモが行われた。