11年に死去した俳優原田芳雄さん(享年71)の誕生日にあたる29日、都内でバースデーライブが行われ、ゆかりの歌手、俳優ら豪華メンバーが出演した。

 うるう年生まれの原田さんが生前の84年から毎回、開催していたもので、死去後も有志が集って恒例行事として受け継いできた。健在なら今年で76歳だった原田さんだが、うるう年は19回目。コンサートは「原田芳雄 19×4th Birthday Live 風来去」としゃれのきいたタイトルが付けられた。

 ステージ中央には、原田さんが愛用していた赤いタオルがかかったスタンドマイクが置かれた。スクリーンには原田さんの歌唱映像が流れ、出演者が歌声と楽器でセッションした。共演歴のある江口洋介、佐藤浩市ら、4年前にも出演したメンバーに加え、今回は瑛太が初参加した。原田さんモデルのメガネをかけた瑛太は、「2階!」と、観客とのコールアンドレスポンスに挑戦。「これ、やってみたかったんです」と笑顔を見せた。ステージに立って歌うのは初めてで、声を震わせて緊張気味だった。

 ギターを手に登場した江口は「今日も芳雄さんの歌が(心に)響いた人間が集まってます。芳雄さんの歌への思いが届いて続いていくよう願っています」と願いを込めた。中盤に登場した佐藤は、「みんな『えらい緊張するよ』って言って戻ってくる。あの山崎ハコさんですら『緊張虫を移す』とか言ってる。待ってる方は、たまったもんじゃない」と苦笑いした。

 12年のライブに出演後、同年10月に桑名正博さんが死去した。原田さんの長男でギタリストの原田喧太は「4年前、『あそこ(スクリーン)にビデオ出演しちゃあかんな』って言っていた本人が、上に行ってしまった。出演させてあげたいなと思う」と話し、桑名さんの映像が流された。

 他に宇崎竜童、吉川晃司らが出演した。また、原田さんのドキュメンタリー映画「風来去(仮題)」が夏にも公開されることが発表された。