新垣結衣「逃げ恥」で断トツ ドラマGP主演女優賞

日刊スポーツドラマGPで主演女優賞を受賞した新垣結衣は、恋ダンスポーズを決める(撮影・柴田隆二)

<第20回日刊スポーツドラマグランプリ受賞者発表>

 新垣結衣(28)が「第20回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の主演女優賞を受賞した。主演した昨年10月期のTBS系「逃げるは恥だが役に立つ」がヒット。星野源(36)演じるサラリーマンとの契約結婚から始まる恋を愛らしく演じ、お茶の間の「ムズキュン」を誘った。

 初回の視聴率は10・2%も、最終回は20・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークした。「これほどまでの反応は誰も予想していなかったので、びっくり」としながらも、「素直にうれしい」と喜んだ。

 コメディーの要素の強い作品で、毎回登場するパロディーが話題になった。「『ベストテン』は、もうすぐ解体するときだったのかな。『フレンドパーク』も、近いうちにスペシャルが放送されるから、たまたまあったり。スタッフさんが気合で再現してくれたセットもたくさんあります、『新婚さんいらっしゃい』とか。他局の皆さんにも、温かく見守っていただいて(笑い)」。

 ドラマの好調もあり、現場の雰囲気は良好だったという。「みんなでオンエアの感想を話すんですけど、ほめ大会みたいな(笑い) リスペクトできるってすごくいいなって思いましたね。星野さんは、『もういいよ』ってくらい、褒めてくれる人です」。

 その星野とは初共演。初対面は今でも覚えている。「ポスターの撮影の時だったんですけど、すごく忙しくされてたので、『元気ですか』って最初に声をかけたのを覚えていますね(笑い) そこがすごく気になって。忙しさを感じさせず、現場に誠実に取り組んでいらっしゃったので」。

 テーマの「契約結婚」については、独自の見解を述べる。「昔は好きなだけで結婚できなかったと思うし、今も立場や地位を守るための結婚もあると思う。双方が納得なら一緒にいていいと思うし、その中で恋愛とは違う大事さも生まれるかもしれないし…。私はちゃんと、好きな人と好き同士で一緒にいたいなっていうのが理想ですけど」。

 原作も読破し「逃げ恥」の魅力を再確認した。「身近な問題とか悩みとかに『逃げ恥』の世界観で切り込むのが、爽快感があって魅力なんだと思います。でも2人が気持ちで結ばれた後もどんどん問題は出てくるわけで、結婚ってきれい事じゃないんだねって、誰かと一緒に生きていくってきれいなものだけでは無理なんだね、って。じわっと温かくなるような感じで、すてきなラストでした」。

 続編を期待する声も多いが、新垣は「この先2人がどうやって生きていくかの選択は、見ている方それぞれに委ねたので…。でも、またあのチームで集まるとか、また『逃げ恥』の世界を見ることができるとなったら、私もワクワクします」。お茶の間も、ワクワクしている。【杉山理紗】

 ◆新垣結衣(あらがき・ゆい)1988年(昭63)6月11日、沖縄県生まれ。01年「ニコラモデルオーディション」グランプリ受賞でモデルデビュー。06年「ポッキー」CMで注目される。07年映画「恋空」で日本アカデミー賞新人俳優賞など。ドラマは「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「リーガル・ハイ」など。168センチ、血液型A。

 ◆「逃げるは恥だが役に立つ」 海野つなみ氏の同名漫画が原作。夫が雇用主、妻が従業員という契約結婚がテーマの社会派ラブコメディー。職なし彼氏なしの主人公みくり(新垣)と、ウブなサラリーマン平匡(星野)のもどかしい関係に、「ムズキュン」という言葉が生まれた。2人がエンディングで見せる「恋ダンス」も話題に。共演は大谷亮平、石田ゆり子ら。

 ◆ドラマグランプリ 3月23日から同31日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は4078票。男性が901票、女性が3177票。10代以下が146票、20代464票、30代386票、40代1225票、50代1405票、60代以上が452票だった。