寺島しのぶの家族観、両親への反発、結婚、出産経て

家族の物語を描いた主演舞台の取材会で、自らの家族観も語った寺島しのぶ(撮影・村上久美子)

 歌舞伎俳優尾上菊五郎(74)と女優富司純子(71)の長女に生まれた女優、寺島しのぶ(44)が12日、大阪市内で、家族の問題を描いた主演舞台「アザー・デザート・シティーズ」の取材会を開き、結婚、出産を経て、大きく変わった家族観を語った。

 「ちょっと前までは『弟の方が愛情いっぱいに育てられて』とか思ってたけど、そうでもなかったかなって。父とは話すこともなかったけど、息子ができてから、彼(息子)を通じてご飯会が開かれたり、会話をするようになった。彼はかすがいですね」

 父や、弟の尾上菊之助(39)へ複雑な思いを抱えて過ごしてきたものが、結婚と、長男寺嶋眞秀(まほろ)君(4)の誕生を経て、心変わりしたという。

 眞秀君が歌舞伎公演に初お目見えをすると、さらに変化があり「彼が(公演に)出ることで、父と同じ楽屋にいたりした」とも振り返った。

 くしくも、今回の主演作も、複雑な家族への感情がテーマ。舞台は米国だが、著名な両親を持ち、母と同じ文筆業で生活していた娘が、家族の物語を告発本にしようと宣言したことで起こるドラマを描く。

 寺島は「セリフの中でも『これはちょっと分からない』と思う部分はほぼなくて。私の中ではすごくリアル」と言い、共感する部分も多い物語だ。

 「私も家を出たいと思っていて、でも結局、家から出られなくって、そして出なかったことで、得した部分もある。父や母への反発も、今はありがたい、って、感謝の気持ちになった」

 今作の主人公と同じように、両親への反発を経て、家族の絆に気づいてきた。フランス人の夫ローラン・グナシア氏と結婚し、長男を出産。女優業と両立しながら育児も務め、息子の歌舞伎デビューも終えた。

 実体験とリンクする作品に、寺島は「新しいもの(演劇)をちょっと見てみようっていう感覚で、見に来てほしい」と話していた。

 公演は東京芸術劇場シアターウエストで7月6~26日、大阪市のシアター・ドラマシティで7月29~31日。