大凶作!日本のエンターテインメント界がピンチ

 今年も残り約2カ月。毎年、この時期になると、NHK紅白歌合戦、日本レコード大賞、弊社主催の日刊スポーツ映画大賞を始めとする映画の各賞などの選考で、芸能メディアは盛り上がります。

 ところが、今年はいっこうに景気のいい話が上がってきません。皆さんは、2017年を代表するヒット曲、ヒット映画、ヒットドラマが、パッと思い付きますでしょうか? 

 私の中で浮かぶのは、辛うじてNHK連続テレビ小説「ひよっこ」ぐらいでしょうか…。国民的大ブレークとまでいえるか、評価は分かれるところでしょう。映画や音楽となると、コレ! という作品が浮かんできません。正直、日本のエンターテインメント界としては、とんでもない大凶作の年になってしまっています。

 昨年ならば、映画ではアニメ「君の名は。」が、ドラマでは、新垣結衣の「逃げるは恥だが役に立つ」がありました。一昨年は、14年の年末の勢いを受けてでしたが、3代目 J SoulBrothersの「R.Y.U.S.E.I」やアニメ「妖怪ウォッチ」があり、小説「火花」がありました。2014年は「アナと雪の女王」でした。何だかんだで毎年、後世にまで説得力のある作品が必ず生まれるもの。ところが、本当に今年はありません。

 日本レコード大賞の最有力候補は? 映画大賞の最右翼は? 大衆の趣味嗜好(しこう)が多様化した裏返しともいえますが、悲しい現実です。

 特に深刻なのは、音楽です。昨年も不作といわれましたが、それでも、「君の名は」効果で「前前前世」(RADWIMPS)や、「逃げ恥」効果で「恋」(星野源)はありました。今年は、誰もが口ずさむようなヒット曲が生まれていません。

 厳しい現状ですが、残り2カ月で、世間をアッといわせる何かが生まれることを願っています。