乃木坂レコード大賞!AKBと差別化図った戦略奏功

日本レコード大賞の乃木坂46の白石麻衣(中央)は感極まった表情でインタビューに答える(撮影・鈴木正人)

 第59回日本レコード大賞が30日、東京・新国立劇場で発表され、女性アイドルグループの乃木坂46が、「インフルエンサー」で大賞を初受賞した。11年8月に「AKB48の公式ライバル」として結成して6年4カ月。大賞を競ったAKB48を制して初の栄冠を手にした。

 受賞が発表された瞬間、ホール客席に座っていた乃木坂46のメンバーは一斉に驚きの表情を見せた。目を見開き、手に口を当てた。白石麻衣(25)西野七瀬(23)は涙を浮かべ、生駒里奈(22)高山一実(23)は手をつないで大はしゃぎした。ステージでトロフィーを受け取ったキャプテン桜井玲香(23)は「本当にうれしくて信じられません。乃木坂46に関わる全ての方々のおかげです」と声を震わせた。白石は「感謝の気持ちでいっぱいです」。メンバー21人は喜びをかみしめながら、受賞曲「インフルエンサー」を披露した。

 乃木坂46の年だった。3月発売のシングル「インフルエンサー」はグループ初のミリオンヒットを記録。11月に初の東京ドーム公演も行った。年間ライブ動員は46万人超えで女性グループでトップの人気。好感度も高く、出演CMは「セブン-イレブン」「バイトル」など15本以上になった。個々でも、白石、西野らメンバー10人がファッション誌の専属やレギュラーモデルとして活躍。今月発表されたオリコン年間写真集ランキングトップ10のうち6作を乃木坂46メンバーが占めた。

 11年8月に「AKB48の公式ライバル」として結成。ライバルの背中は遠くに見えたが「上品で清楚(せいそ)」というイメージ戦略の徹底や、レベルの高いルックスなどもあり、男性だけでなく、多くの女性ファンも獲得。アイデンティティーも確立し、大賞初制覇のステージにたどり着いた。桜井は今月中旬、レコード大賞の会見で「結成当時は、AKB48さんと一緒にこの場所に立てるとは夢にも思いませんでした。一丸となって上を目指していきたいです」と話した。

 「インフルエンサー」とは影響力が大きい人物の意味。この日は、尊敬するライバルとの対決を制して女性アイドルグループの頂点に立った。とはいえメンバー個々の知名度や人気、影響力は、指原莉乃(25)渡辺麻友(23)らを擁するAKB48グループを圧倒的に上回ったとは言えない。乗り越える壁はまだある。【横山慧】