<樫の女王へ 聖奈の初挑戦>
オークスのジュウリョクピエロ(寺島)で、JRA女性騎手として初めてクラシックレースに騎乗する今村聖奈騎手(22=寺島)の手記連載「樫の女王へ 聖奈の初挑戦」。最終3回目は最終追い切りの手応えと“ギャップ萌え”、そしてレースへの意気込みを記した。
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ピエちゃん(ジュウリョクピエロ)の最終追い切りが終わりました。先週と変わらずいい状態をキープできていると思いますし、動きの質がすごく良くなっています。今日(20日)は、前に出ないでずっと併せ続けてほしいという指示でしたので、引っ張りきりでしたが、ゴール板を過ぎてからは気分良く流れて走れていましたし、反応もすごく良かったです。新馬戦の時から変動の少ない馬で、ずっといい状態をキープしていると思います。
今まで、ピエちゃんのような馬には出会ったことがありません。初めてJRA重賞を勝たせていただいたテイエムスパーダ(22年CBC賞)は短距離馬でしたし、未勝利から3勝させていただいたステイヤー、メイショウブレゲとも乗った感じや走りの感じが違います。初めて乗った時から感じたことのない背中、動きをしていました。
ひと言で表すなら“ギャップ萌え”でしょうか。馬房ではすごく穏やかで、普段の調教もおとなしいですが、競馬場に行くとスイッチが入ります。真面目すぎる性格なのでイレ込みもありますし、普段の雰囲気とは一変します。このオンオフの切り替えが、競馬であれだけのパフォーマンスを発揮してくれる1つの要因なのかなと思います。普段はおしとやかなかわいい女の子が、めちゃくちゃ脚が速い、というのは大きなギャップです。
“ピエちゃん人気”もすごく感じます。新馬戦を勝った時はファンの皆さんの歓声がすごかったですし、忘れな草賞を勝った時も多くの方に声をかけていただきました。先日の福島開催ではファンの皆さんとの距離が近いこともあり、私にも「オークス、頑張って!」という声をいただきました。ピエちゃんは私にも夢と希望を与えてくれる存在です。その背中を任された身として「聖奈が乗って良かった」と皆さんに納得していただける競馬をしたいです。
調整過程は「順調」という言葉がぴったり。レースまでこのまま進んでほしいです。通用する力はあると信じています。ピエちゃんとの1分、1秒を大切に。結果を求めて勝負したいと思っています。応援よろしくお願いします!(おわり)
◆今村聖奈(いまむら・せいな)2003年(平15)11月28日、滋賀県生まれ。栗東・寺島厩舎所属で2022年3月に騎手デビュー。1年目からの年度別JRA勝利数は51勝、25勝、6勝、22勝。今年は17日終了現在でJRA112戦5勝。同通算1739戦109勝。重賞1勝。父の康成調教助手(飯田厩舎)は元騎手。