新潟・新潟東港沖 初の日本海でマダイ釣った

久しぶりのマダイゲットにテンションはMAXだった

<幸之介と釣りしましょ!!>

 日刊スポーツ入社3年目の私、松尾幸之介が今回は新潟東港・鯛紅丸に乗り込み、同港沖でのマダイ釣りに挑戦した。コマセマダイ釣りを始めて約1年。サオや仕掛けの扱いには慣れてきたが、ここ最近は連戦連敗。心機一転の意味も込めて向かったのは、人生初の日本海だ。良型多しとされる新潟での熱い攻防の模様をお届けします。

 最後にマダイを釣ったのは昨年12月。東京湾の海で、凍えるような寒さに震えていた頃だ。マダイがエサとなるオキアミを口にし、深みへ“ギュギュンッ”と引っ張っていく、あの感覚を取り戻したい。ただその一心で港を出た。

 仕掛けは鯛紅丸特製のものを使った。5号のハリス10メートルの2本バリ。こちらではコマセフカセマダイ釣りと呼ぶという。シンプルな作りだが、常連客らは「この仕掛けがとても当たる」と口をそろえる。これまでは3~4号のハリスを使ってきたが、新潟東港周辺では根掛かりが起こりやすく、すぐに切られないよう5号のハリスを使っている。

 この日は数日前に起きた豪雨の影響で川からの雨水の流入が多く、少し濁りもあった。加えて二枚潮とあり、魚影が濃い日ではなかった。しかし、これまでの経験から言うと、そんな時でも釣る人は釣る。成長を確かめ、自信を深めるには抜群のコンディションだと割り切った。

 初の日本海、そして新潟の海についてレクチャーしてくれたのは船長の高橋末吉さん(61)。約25年にわたって新潟の海を見てきたベテランだ。常連らの信頼も厚く、伊藤正則さん(74)は「高橋さんは本当に(釣らせるのが)うまい。新潟では1番だと思う」と絶賛する。そんな高橋さんを信じ、言われたタナを守ってひたすらその時を待った。

 歓喜の瞬間は突然訪れた。サバのラッシュが一段落した午前11時半ごろ、“ギュンッ”とサオがしなった。大きなアタリではない。しかし、この日初めて感じる感触。喉から手が出るほど渇望していた、マダイのアタリだった。ドラグを調節し、慎重にリールを巻いた。ゆっくりと焦らず、その姿をタモの中へと入れた。1キロにも満たないサイズだったが、正真正銘のマダイ。「やっと会えた」。約7カ月ぶりの再会に、心が躍った。

 この日は計6人がサオを出した。最高でも2キロ台しか釣れず、厳しい釣行だった。高橋さんは「豪雨の影響はあまりないと思うけど、潮がきつかったね。これから9月にかけては大食いシーズンになる。数も釣れるし、サイズも大きいのが釣れるよ」と話す。周辺ではカサゴなどの根魚もよく掛かるといい、アマダイやサバ、イナダなども釣れるという。

 この日は己を信じ、船長のアドバイスも信じて待ち続けた。どちらが寄ってきたのかはわからないが、つかの間の再会を果たし、日本海の荒波の音が心地よく聞こえた。【松尾幸之介】

 ▼船 新潟東港「鯛紅丸」【電話】0254・27・7845。マダイの乗合は午前5時半出船の12時半ごろ納竿。エサ、コマセ付きで大人1万800円、中学生は2000円、女性は1000円割引き。小学生は半額。沖五目や沖メバル釣りなどもある。