東京湾口にモンスター級現れた 夏の使者シイラ

ルアーシイラ初挑戦で119センチをキャッチした木村さん。腕がプルプルしてきた

<フィッシング・ルポ>

 東京湾口に“夏の使者”シイラが現れた。今月29日には、まさにシイラだけを対象とした「テッパツ・ドルフィン・フェスティバル2018」が開催される。今年で18回目。この1週間で、最大143センチのモンスター級も釣れていて、期待が大きく膨らんできた。そこで、11日、初挑戦者も含めて富浦港からシイラ乗合専門「共栄丸」(笹子宏宣船長)に乗って、夏の潮目を追いかけた。

 共栄丸は毎夏、シイラを狩りにいく。東京湾の第一人者で間違いない。今年は7月1日から旗をあげた。初日はシイラの姿は見つけることはできたが、ヒットせず。台風7号の影響で、シケが続いて、明けた10日に141センチ(船中3匹)をキャッチできた。そして迎えた11日、ロッドを持つ乗船者の目はギラギラしていた。

 結果から発表すると。86センチと119センチの2匹だった。推定130~145センチの大物3匹は海面まで寄せることはできたが、バレてしまった。その後12日に119センチ1匹、13日は143センチを含んで計7匹だった

 笹子船長 でも、まだ数がいない。せいぜいツガイ(雄と雌のペア)で、あとはほぼ単独で泳いでいるシイラ。新群れ待ちという感じ。夏の潮目もできてきて、潮温も25~27度台のエリアもあるので、いつ数釣りができてもおかしくないんだけど。

 何かのタイミングがちょっとずつずれているようでもある。

 管理釣り場でニジマスのエサ釣り経験しかない中学1年生、川合隆世(りゅうせい)くん(13)も、この日の乗船者だった。アンダーハンドキャストで、ルアーを振り子のようにさせて、てこの原理で飛距離を出すキャストをベテランに教わった。さすが中学生、のみ込みも早く、ちょっと離れた潮目に絡めることも5投目ぐらいにはできるようになった。

 川合くん 移動中に船の前で泳ぐシイラを見つけるのも楽しかった。もうキャストはできる。釣れなかったけど、ルアーを投げられるようになったから、次は絶対に釣りたい。

 子どものころからブラックバス釣りでルアーに親しみ、現在は陸からのシーバス釣りに熱心な鈴木徹也さん(33=館山市)は、浮きゴミ下にシンキングミノーを潜らせたら、すぐにマツダイを掛けた。

 鈴木さん 海面直下ですね。潜らせたとたんにガツン。まあ、でも外道ですからね。メーター超のシイラを狙っていたんですけどね。ただ、いいバトルを見ることができてよかった。

 鈴木さんが「いいバトル」と話したのは、仲間の日下(くさか)浩之さん(45=館山市)のヒットだった。日下さんは船中1発目となる86センチをキャッチした後、ヒットから30分かけて大物と格闘した。タモ網にもカスっていたが、最後の最後でフックが外れてしまった。140センチ以上の大物に見えた。

 日下さん はあ、はあ、はあ…悔しい。次こそ、釣りたい。はあ、はあ。

 ルアーシイラ初挑戦で119センチを釣り上げたのは、海洋環境専門家の木村尚(たかし)さんだった。

 木村さん あまり色気を出さずに無心でキャストして、無心でリールを巻いてきた。ルアー操作に余計な力が入らなかったのが良かったかも。でも、70メートルぐらい走られて、船下にも潜られたし。腕パンパン。面白いですね。

 大物はいる。新群れが入ってくれば、船はシイラで包囲されてしまう。いつ、スイッチが入ってもおかしくない状態にはなっている。【寺沢卓】

<テッパツ・ドルフィン・フェスティバル2018>

 ▼日時 7月29日(日)

 ▼受け付け 午前4時30分から千葉・富浦港(参加艇・富浦「共栄丸」、勝山「宝生(ほうせい)丸」、保田「村井丸」)

 ▼参加費 1万3000円(乗船料、保険料含む)

 ▼ルール シイラ1匹の又長で競う。優勝者には1年間保持できるチャンピオンベルトが授与される。潜らないトップ系のルアーを使う。ラインはPE2号かナイロン16ポンド以上。リーダーは50ポンド以上を1・5メートル。シイラを掛けたらヒットさせた人が取り込むまでファイトする。ライフジャケットを着用していない人は乗船できない。フックは返しをつぶしたバーブレスにする。アンダーハンドキャストを基本とする。

 ▼フリーマーケット 釣りに関係なくとも、船の停泊場で表彰会場となる富浦漁港で出展できる。

 ▼レンタル 釣り道具は事前予約があれば、借りることができる。

 ▼問い合わせ テッパツ関連は館山「サウスエンド」【電話】0470・23・8827。通常のルアーシイラは富浦「共栄丸」【電話】090・7244・0460。午前5時出船、氷付き1万円。