良型鮎の激しい追いを求めて三重・長瀬太郎生川の長瀬地区へ先日、釣行した。最高の追いをみせたのは午後から入った新長瀬橋の下だった。上飛ばしで狙うと体高がある21センチ前後が9連続の入れ掛かり。ロッドを絞り込むスリリングなファイトに興奮した。他にも同橋の100メートルほど下流にあるザラ瀬や板橋周辺、片ガ瀬も探り、合計で17~22センチを27匹追わせた。今年は型がいいのが特徴で、脂が良く乗っていて、塩焼きにすると抜群にうまかった。

 肩が盛り上がった、良型鮎のものすごい引きにしびれた。午前中、人気ポイントでなんとか、オトリをキープ。午後0時半ごろ、新長瀬橋の下をのぞくと、トロ瀬の左岸にある、ひと抱えほどの石周りに追い鮎を見つけ、思わずにんまり。

 右岸の下手から、上飛ばしの泳がせ釣りで狙うと目印がズドーン。水中へ一気に引き込まれる胸のすくアタリがきた。そして掛かりアユがオトリもろとも上流へ向けてグイグイ上る。

 バラしてなるものかと必死で応戦。ロッドのしなりを生かしながらパワフルな引きに耐え、タモに収めたのは良く肥えた湖産の22センチだった。すぐにオトリを交換。今度はオトリまかせに泳がせると、大石にたどりつくまでにガツーン。

 ポイント一帯で追い鮎にスイッチが入ったようで入れ掛かり。午前中の苦戦とは大違い。強烈な追い、豪快なやりとりに気持ちが高ぶる。しかも20~22センチの良型ぞろいで1匹1匹が真剣勝負。なんとか、9連続まで数を伸ばしたところで追いが止まった。これで終わりにしてもいいほどの釣れっぷりだったが、最後に100メートルほど下流のザラ瀬へ入った。ここも、サイズが良く、掛かりアユが下流へ勢いよく突っ走り、盛期を思わせる友釣りを満喫。結局、午後からは20~22センチの太い鮎を18匹キープした。

 午前中は板橋周辺や片ガ瀬に入ったが、人気ポイントだけに厳しかった。人が多い流芯は避け、ヘチにあるY字状の流れや、小さな落ち込みを探っていくとポツリポツリ掛かった。攻め方は2ヒロの長手尻でオバセをコントロールしながらのストップ&ゴー。17~18センチを9匹キャッチした。

 今年の長瀬は全体的に鮎のサイズがいいので釣り味は最高。流芯にこだわらず、竿抜けを探したり、足を使って移動を繰り返せば、思わぬチャンスが巡ってくる。午後からのファイトはスリル満点。久しぶりにスカッとする友釣りだった。【日刊FPC・井上徳之】

 【今後の見通し】例年に比べて水量がたっぷりあるので、夏日が続き、照り込めば、面白くなるだろう。湖産のそ上鮎も大きくなっていくので楽しみだ。

 【問い合わせ】長瀬太郎生川漁協【電話】090・5602・4356。年券9000円、日券3000円。

 【交通】名阪国道の上野ICから国道368号へ入り南下。名張市を経て長瀬太郎生川へ。一般道利用は国道165号から名張市で同368号へ入り同川へ。