【フィギュア】五輪での逆転金メダルの可能性は? 得点上過去最大逆転劇は06年トリノの荒川静香

荒川静香(2006年2月23日撮影)

<北京オリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇男子SP◇8日◇首都体育館

世界王者のネーサン・チェン(米国)がSP史上最高得点となる113・97点で首位に立った。鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎)が108・12点で2位、宇野昌磨(トヨタ自動車)は105・90点で3位、羽生結弦(ANA)は95・15位で8位。果たして日本勢はフリーで逆転なるか? 過去の大会から逆転した例をさぐってみる。

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現行の方式になった06年トリノ五輪以降で男女シングルは合計8回行われて、SP2位以下からの逆転勝ちは3例。最大得点差は06年トリノ大会女子の荒川静香。SP3位で首位のコーエンとの0・71点差を逆転した。1点以上の差を覆したケースはない。

トリノからの8回中5回はSP1位が、そのまま金メダルを獲得。18年平昌では男子の羽生、女子のザギトワ(ロシア)ともにSP1位から逃げ切っている。

SP、フリーの合計で争うようになった94年リレハンメル大会以降でも、最も下位からの逆転は02年ソルトレークシティー大会の女子。SP4位だったヒューズ(米国)がフリーで逆転し、金メダルを獲得した。

 

◆金メダル争い展望 世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(米国)が、初の頂点へ優位に立つ。

直近に出場した国際スケート連盟(ISU)公認大会となる昨年10月末のグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダでは、3種4本の4回転ジャンプを着氷させて200・46点。五輪ではさらに1本増やす予定で、重圧のかかる国際大会での最終滑走の経験も豊富といえる。

5・85点差で追う2位鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)、8・07点差の3位宇野昌磨(24=トヨタ自動車)は自らの攻めたジャンプ構成に集中したい。鍵山は団体戦フリーで世界歴代3位となる自己ベスト208・94点をマーク。習得したばかりで、着氷時にこらえた4回転ループの加点は0・60点。ステップはレベル3(最高は4)と取りこぼし伸びしろは残されている。

宇野は4種5本の4回転に挑戦する意向を持ち、フリー自己最高の更新も期待される。ジャンプ1本が明暗を分ける大一番となる。