「農耕民族は勝てない」から28年 森保ジャパンの「本当のワールドカップ」が始まる

1988年の入社から40年近く、スポーツを取材してきた首藤正徳氏が執筆する、日刊スポーツの看板コラム「スポーツ百景」。

今回は、サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会を舞台に「日刊スポーツ・プレミアム」バージョンとして随時、お届けします。

サッカー

日本対スウェーデン 後半、先制ゴールを決め喜ぶ前田大然(右)(撮影・足立雅史)

日本対スウェーデン 後半、先制ゴールを決め喜ぶ前田大然(右)(撮影・足立雅史)

“迷信”が信じられていた時代

サッカーは日本人に向いていない。

そんな“迷信”がまっとうな指摘として信じられていた時代があった。

欧米の選手と比べると、体格と身体能力で劣る上に、足でボールを操る技術にも大きな差がある。何より共生や調和を重んじる国民性が、相手を出し抜き、蹴散らしてゴールを奪い合う競技になじむのは難しいというのが根拠だった。

日本が初出場した1998年W杯フランス大会の1カ月後、都内の外国特派員協会で講演した日本サッカー協会の岡野俊一郎会長は、3戦全敗した日本の敗因をこう分析した。

「サッカーは本来狩猟民族のスポーツ。農耕民族の日本人は欧米人と比べて骨格と筋肉量で20%劣る。それが弱い理由」。そう断言した上で「争いを避けて和を大切にしてきた農耕民族が、狩猟民族にボールを奪い合って勝つのは至難の業だ」と続けた。

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1965年、大分市生まれ。
88年入社。ボクシング、プロレス、夏冬五輪、テニス、F1、サッカー、K-1など幅広いスポーツを取材。アントニオ猪木、マイク・タイソン、有森裕子、高橋尚子、岡田武史、フィリップ・トルシエらを番記者として担当する。
五輪は92年アルベールビル冬季大会、96年アトランタ大会を現地取材。08年北京大会、12年ロンドン大会は統括デスク。21年東京大会は五輪・パラリンピック担当委員。サッカーは現場キャップとして98年W杯フランス大会、02年同日韓大会を取材。
23年1月に退社してフリーに。現在は日刊スポーツの契約ライターのほかNPO法人スポーツネットワークジャパン企画編集委員、東日本ボクシング協会の評議員などを務める