<鳴門ボート:オーシャンカップ>◇SG◇最終日◇18日
石野貴之(34=大阪)がオーシャンカップ連覇を達成した。3コースからコンマ03の気合のスリット攻勢をみせ、1Mをパワフルに差し抜けた。石野は通算3度目のSG制覇だが、全てオーシャンカップ。オーシャンカップの通算V回数では松井繁の4度に迫った。優勝賞金2500万円を加算し、ランキングはトップに躍り出た。2着は1枠丸岡正典で大阪支部のワンツーフィニッシュだった。
優勝戦の締め切り間際、スタンドを埋めた大勢のファンが叫んでいた。「いしのー、連覇頼むぞー」。パワフルな走りで期待に応え、ゴールの瞬間は小さくガッツポーズ。ピットに引き揚げて来ると、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
2年連続、節一に仕上げた。昨年三国大会ではエース機を引き、予選トップ通過からの王道V。今回もダブルエース機のひとつとされる73号機を引いたが、初日はまさかの5、6着。方向転換を余儀なくされた。ペラをたたき、本体を点検した。これがはまった。優勝戦は3コースから差して伸び切った。「1枠でなくても勝てた。自信がつく」。過去2度のSG優勝とはまた違う喜びがあった。
不思議と昨年よりも余裕があったという。「去年ほど追い込まなくても、集中できた」。集中力を何よりも大事にし、高めるための取り組みを続けている。レース場では常にボートのことを考え、いいイメージを描いて臨む。逆に悪いイメージをつくることもあるという。今節は初日を終え、「予選落ち」をあえて想像した。絶対にそうならないよう、集中力を保った。優勝戦はコンマ03のフルショットを放った。強メンタル、成長の表れだった。
オフには時折、ゴルフを楽しむ。同支部の後輩、西村拓也は「石野さんはゴルフも伸び型。飛ばすイメージがある。スコアは大体80から100ぐらい。結構ムラがある」と笑う。ゴルフの腕は微妙でも、レースは最強大阪支部の中でも胸を張れる「腕前」だ。
賞金ランクはトップに浮上。年末のグランプリに当確ランプをともした。「最多勝を取って5大SG競走を勝ってグランプリへ」。16年後半戦、石野の走りから目が離せない。【網 孝広】
◆石野貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭57)6月3日、大阪府生まれ。90期生として02年5月に住之江タイトル戦でデビュー。初優勝は03年10月の宮島新鋭リーグ。10年7月丸亀オーシャンカップでSG初優勝、通算では3回目。G1優勝は5回。同期は吉田拡郎、赤坂俊輔、宇野弥生ら。166センチ、51キロ。血液型O。