教えて、林先生! 鳴門ボートの開設64周年記念「G1大渦大賞」が明日9日から14日まで開催される。SG級でも攻め方に頭を悩ませる難水面だが、地元の林美憲にとっては、庭も同然。新装後、優勝回数トップの鳴門巧者に、大事なポイントをレクチャーしてもらった。また、地元勢では市橋卓士、田村隆信も争覇圏内。昨年Vの菊地孝平は本領のスタート攻勢で優勝争いを先導する。
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鳴門が新装されたのは16年4月。その後、同年7月にオーシャンC、今年6月にグラチャンとSGが2年連続で開催され、両方を制した石野貴之が“鳴門巧者”として、ファンの印象に残っているはず。しかし、データを詳しく見てみると、実は石野以上の巧者が存在した。それが地元の林美憲だ。水面の攻略法、エンジン出し、近況のリズムなど“林先生”に詳しく解説をしてもらった。なるちゃん(鳴門ボートマスコットキャラクター)のデータ検証も、合わせてどうぞ。
-新装されてからの鳴門の印象は?
林 僕の中では改装前と特に変わったなという感じはない。スタートがしやすいという印象です。
なるちゃん検証 表(1)を見るな~る。全国勝率6・93にタイして、鳴門勝率が7・95。1点以上も違うのは、すごいな~るねぇ。スタートは鳴門だけじゃなく、他の場でも早いな~るよ~。でも、鳴門ではピチピチの全速スタートが多いな~る。
-出走回数が多い分、有利な点もあるのでしょうか?
林 それはあります。いろんな面でアドバンテージがある。周年では、それがプラスになるようにしたいですね。
なるちゃん検証 地元選手はみんなアドバンテージがあるな~るねぇ。でも、表(2)を見れば、一目瞭然な~る。3回優勝は全選手の中でトップな~るよ。ちゃんと、結果(優勝)につなげているのが、えらいな~る。
では、具体的な鳴門攻略法に移ろう。大事な足の特徴、走り方、水面特徴に話が及んだ。
-鳴門で走る上で一番大事な部分は何ですか?
林 とにかく、行き足です。包まれたら何もない。戸田などと一緒で、1Mが狭い。外から包まれると、内側の人たちはハンドルが切れなくなる。
なるちゃん検証 鳴門の1Mの横幅はホーム側、バック側を足して、125メートルしかないな~るよ(表3)。その上、スタートラインから、1Mに近づくに連れ、だんだんと狭くな~る。泳いでいても、窮屈な~るよねぇ。だから、走っている選手も、きっと絞り込まれるような感覚で、狭く感じるな~る。その状態で外側の選手にぐいぐいと出てこられると、たとえ、SG級のレーサーでも苦戦必至タイねぇ。
-行き足が来ている場合、まくるレースが増えるのでしょうか?
林 まくるというより、内側の人を慌てさせるという感じですね。プレッシャーをかけることができれば、無理に締め込まなくても、内側の人たちが、先に回らなければ…と焦る。そうなれば、自分は待って差してもいいので。
なるちゃん検証 優勝した3節で、計22勝もしているけど、イン逃げが11勝で、逃げ以外で11勝も挙げてるな~る。その勝ち方もバラエティーに富~む(表4)。まくれずとも待って差せばいい…と言ってたけど、行き足が来ていれば、G1でも、きっとまくってくれるな~るよ。
-鳴門周年(宮島での代替開催をのぞく)は今まで春~夏の開催でした。今年は12月。どんなコンディションが想定されますか?
林 冬になると追い風が強くなる。だから、2コースが有利です。
なるちゃん検証 “追い風の2コース差し”は、ボート界の定石な~るね。そういえば、昨年の12月23日は追い風がビュンビュン吹いてたな~る。ずっと5メートル以上で、水は冷たいし、死ぬかと思ったな~るよ。その日は2コースが3勝(表5)。他コースからのまくりもバンバン決まってたな~る。追い風は確かに、波乱を呼ぶキーワードな~るねぇ。
-地元周年を間近に控え、最近のリズムはどうですか?
林 前期(18年前期適用)は勝率7点取れたし、最近のリズムは悪くない。6着がもうちょっと少なければ…という思いもあるけど、1着は取れていたしね。
なるちゃん検証 7点キープは7期ぶりな~る(表6)。その間、A2陥落もあったから、近況は間違いなく好調タイ。しかも、11月の蒲郡ダイヤモンドカップでは優出3着だったな~るねぇ。G1でも結果を出して、エライな~る。
-若いころから攻撃的なイメージがありますが、年齢を重ねて、大事にしている点は?
林 年をとって、思い切りがなくなって、スタートをびびってますね。昔は行けていたのに(苦笑)。ただ、6枠のときは黙って6コースには行きません。動いても(コースを)取れないこともあるけど、簡単に折り合いは付けたくない。
なるちゃん検証 確かに、今年6コース進入は1度しかないな~る(表7)。G1だと内に潜り込むのは大変な~るけど、きっと、やってくれるな~る。(取材・構成=東和弘)