感涙のVゴールだ。荒尾聡(36=飯塚)が最高峰レース14回目の挑戦で初制覇した。SGは07オールスター以来、10年ぶり2度目の優勝。8周3角で青山周平をさばいて先頭に立ち、そのまま押し切った。18年初のSG全日本選抜(1月6日~・飯塚)で連続優勝を狙う。
荒尾は篠原睦ら飯塚の仲間たちの胴上げに、こらえていた涙を止められなかった。「やったぜ~」と叫びながらロッカーに戻ると、目がみるみる潤んでいく。「2度と味わえない、と思ったこともあって。夢のよう」。目を真っ赤にはらし、言葉が震える。表彰式では場内の荒尾コールを受けて、また涙。10年分の思いが、涙に詰まっていた。
インコースでじっと待った。逃げる青山周平、背後に迫る鈴木圭一郎。8周3角で、4周1角から続いた激闘にケリをつけた。青山を内からきれいに抜き去る。「中で我慢していればチャンスは来る、と信じて乗った」。描いていた作戦が、見事に成功した瞬間だ。先頭を奪ってからも冷静。「2角が滑るのでそれだけを気をつけて走った」。
SG優勝戦進出は過去40回で2着9回。頂上決戦は07、16年に2着。何度もSG優勝戦に進出しながら、Vが遠かった。味わった悔しさを、しっかり生かした。14年ぶりに水気を含んだ舞台にも不安はなかった。「エンジンには自信を持っていた。ぶち走路に対応できるよう調整をしたし、それほど嫌いではないから」。レース前はリラックスできた。
調整は熱く、レースは冷静に。成長を遂げた男は、次のターゲットに地元のSG全日本選抜を定める。「これに満足せず、1つでも多く勝ちたい。ファンの車券に貢献できるように頑張りたい」。17年ラストを締めくくった年男は、飛躍を誓って新年を迎える。【天野保彦】