本田、岡崎負傷で4年ぶり1トップか 豪パワー対策

ウオーミングアップでランニングする本田(手前)。後方は斎藤(撮影・河野匠)

 【メルボルン(オーストラリア)9日】日本代表FW本田圭佑(30=ACミラン)が、4年ぶりに「1トップ」で先発する可能性が浮上した。

 明日11日のW杯ロシア大会アジア最終予選オーストラリア戦に向けた練習で、6日のイラク戦で左足首を負傷したFW岡崎慎司が練習を回避。武藤嘉紀、宇佐美貴史が負傷辞退するFW不足の中、フィジカルに強いオーストラリアに対抗してパワーと経験のある本田のコンバートが急浮上した。

 ハリルホジッチ監督から付きっきりでアドバイスを受けながら、本田はピッチに入った。急浮上した1トップへの抜てき。岡崎が練習に合流できず、武藤や宇佐美のけが人続出のFW陣に代わって、コンバートを受け入れているようだった。8日の練習後に「(けが人続出は)深刻な問題だ。でもサッカーではありえる話。動揺してはいけない」と話していた通り、冷静な表情で耳を傾けていた。

 1トップでの先発は、12年10月16日にポーランドで行われたブラジル戦以来4年ぶりとなる。かつてはW杯南アフリカ大会で脚光を浴びた1トップ起用。ハリルホジッチ監督が「オーストラリア戦ではより空中戦と地上戦が多くなる。選手はしっかりデュエルに勝つ習慣をつけないといけない。オーストラリアのほうがイラクよりもパワーが強い」と警戒するフィジカル勝負。スピードのある浅野を切り札に残し、本田が先頭に入る可能性が高い。

 屈強な欧州勢に負けないパワーだけではない。長く日本の攻撃をけん引してきた経験がある。「失うモノがあるとは思っていない。これまで通り挑戦者としてきている。W杯に向かう気持ちも同じ。アジアに対してしっかり勝ち続けないといけないというプレッシャーは感じている」と本田は言い切っている。

 前回W杯出場権を獲得したのは、PKでゴールど真ん中に同点弾を決めたホームでのオーストラリア戦。勝負どころの決定力、そしてど真ん中に蹴り込む肝の据わった根性に、同組最大のライバル、オーストラリア戦の命運が託される。【栗田成芳】