久保建英の3年後は「五輪じゃないA代表」内山監督

U-20W杯韓国大会の決勝トーナメント1回戦で敗退した日本代表の久保は羽田空港に到着した(撮影・山崎安昭)

 U-20(20歳以下)W杯韓国大会の決勝トーナメント1回戦でベネズエラに敗れ、敗退した日本代表は5月31日、帰国した。20年東京五輪の中核となる世代を率いた内山篤監督(57)は、飛び級で選出したFW久保建英(15=東京ユース)に対し、東京五輪を迎える20年の目標は「五輪(代表)じゃない。A代表ですよ」と期待を込めてエールを送った。

 内山監督が久保への大きな期待を口にした。「五輪(代表)じゃない。A代表ですよ」。U-20日本代表は東京五輪の中核となる世代だが、15歳には、さらに上のA代表を目指してほしいという。「3年後に(A代表へ)飛び級しちゃったっていい。そういう可能性も見ながら我々もやらないと」。東京五輪だけでなく、A代表でも活躍できるように支えていかなければいけないと強調した。

 久保は南アフリカとの1次リーグ初戦で決勝点をアシストするなど、素質の一端は示した。ドリブルを止められる場面もあったが、「取られても問題ないところで仕掛けている。判断ミスでボールを取られることはこの世代でもほとんどない。呼んだことが間違っていたとは全く思っていない」と言い切った。

 日本協会の西野技術委員長によると、久保は今後は、10月のU-17(17歳以下)W杯に向けて活動する予定。内山監督は引き続き指揮を執る7月のU-23アジア選手権1次予選(カンボジア)での久保の招集について「(所属の)東京との話し合いもあること」と言葉を選びつつ、招集したい意向をにじませた。さらに「(A代表監督の)バヒド(ハリルホジッチ監督)さんたちが考えること」と前置きした上で「18歳でA代表に入っている選手も世界にはいる」と話した。

 今大会で底知れぬ魅力を見せた久保。3年後の日本代表どころか、日本代表の国際Aマッチ最年少出場記録の17歳322日を塗り替えても不思議はない。「判断力と適応力がある。十分やれる。間違いないです」。内山監督がはっきりと言った。【岡崎悠利】

 ◆日本代表の国際Aマッチ年少記録 DF市川大祐(当時清水ユース)の17歳322日が最年少出場記録。2位がMF小野伸二(当時浦和)で18歳186日。2人はともに岡田武史監督時代の98年4月1日の親善試合韓国戦でデビュー。最近では18歳、高校3年時のFW久保裕也(当時京都)がザッケローニ監督時代の12年2月24日の親善試合アイスランド戦で初招集。このときは出場機会がなく、代表初出場は22歳だった昨年11月11日の親善試合オマーン戦。