森保監督10年ぶり代表ジャージに「ここから出発」

初練習の最後に円陣を組み、話をするU-20日本代表の森保監督(中央)(撮影・狩俣裕三)

 20年東京五輪世代のU-20日本代表が6日、森保一監督(49)の就任後初めての練習を千葉県内で行った。初日から本格的な戦術練習を取り入れるなど、さっそく森保イズムを注入した。チームはタイに遠征し、9日に開幕するM-150杯で新体制での初陣を迎える。

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 いきなり森保監督の声が強まった。「『準備してません』じゃだめだ!」。始まったばかりの戦術練習を止めた。3バックでGKからビルドアップする、森保監督の代名詞といえる戦術。選手がパスに迷ったのを見逃さず、熱が入った。U-20代表コーチだった07年以来約10年ぶりに代表ジャージーを着た指揮官は初日を終えると「新たにここから出発するんだと新鮮な気持ちで臨めた」と振り返った。

 練習前のミーティングは「さすがに少し緊張した」と苦笑い。選手には結果にこだわることを強調した。今回の遠征も、目標は当然優勝だ。さっそくハーフコートで11対11の実戦形式を練習に取り入れるなど、こだわりは練習にも表れた。同代表の常連組であるMF神谷は新たな指揮官のもとで初練習を終え「練習も頭を使うし、(タッチ数の制限など)あえて難しくしている。成長できる」と手応えをつかんだ様子だった。

 練習には5月のU-20W杯で同代表を率いた内山前監督も訪れた。選手の情報などを引き継いでいるという。内山前監督は「(東京五輪の監督は)大役。少しでも成功に近づくようみんなでやる」と語った。

 初練習に来た報道陣は記者8人、カメラマン7人だった。「応援してくれる人が1人でも1億人でも、喜んでもらえる結果を出す」と指揮官。東京五輪へ、森保ジャパンが静かに歩み出した。【岡崎悠利】

 ◆M-150杯 アジアから招待された日本、タイ、北朝鮮、ベトナム、ミャンマー、ウズベキスタンの6チームで行われる国際親善大会。3チームずつ2組に分かれて1次リーグを行い、順位決定戦に進む。U-23世代の大会だが、日本は東京五輪を見据えてU-20代表で臨む。M-150はタイで人気の栄養ドリンク。