W杯(ワールドカップ)02年大会、FIFAランク1位フランスが圧倒的有利という前評判を、同65位セネガルが覆した。当時のメツ監督は「白い魔術師」の異名を持ち、身体能力頼りとみられていたアフリカ勢に組織力を植え付けた。開幕戦の勝利を裏付けるように1次リーグを突破した。現在のシセ監督は当時の主将でDFなどでプレー。当然02年の再現を狙い、その手法も知っている。

 現在はイングランド、イタリア、ドイツなどでプレーする選手が増え、タレント的にはアフリカNO・1だ。それをシセ監督がまとめ上げた。「W杯は19年のアフリカ・ネーションズ杯への準備になる。ここで負けても、得られるものは大きい」。弱気に映る言葉も、裏返せば長期的に強化を進めている証しだ。

 ◆アリュー・シセ 1976年3月24日生まれ、セネガル・ジガンショール出身。パリサンジェルマン、モンペリエ、バーミンガムなどでプレーし、09年に現役引退。99年に代表デビューし、02年アフリカ選手権で準優勝。指導者に転身後、セネガルの年代別代表監督も務めた。15年アフリカ選手権1次L敗退後にジレス監督が退任したのを受けて、同年3月に就任した。

 ◆セネガル 治安が良く、人気の観光地。食事は日本と同じで米が中心。アフリカ大陸最西端の大都市でもある首都ダカールでは、世界一過酷といわれるモータースポーツ「ダカール・ラリー」が行われる。人口1620万人。面積19万7000平方キロ。