<明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ:川崎F0-1鹿島>◇準決勝◇23日◇等々力
年間勝ち点3位で第1ステージ(S)覇者の鹿島が、同2位の川崎Fに1-0で勝利し、チャンピオンシップ(CS)決勝進出を決めた。後半5分、FW金崎夢生(27)が、左からのクロスを頭で合わせて決勝ゴール。第2Sでわずか2得点に終わった不調を払拭(ふっしょく)する、エースの1発だった。決勝は同1位で第2S優勝の浦和と激突。ホームアンドアウェー方式で、29日にカシマ、来月3日に埼玉で行われる。
金崎が大一番で輝きを取り戻した。後半5分、山本の左クロスに体を投げ出して頭で合わせ「(山本)脩斗さんとは恋人みたいな仲なので、チョロイもんです。相手より先に触ることだけ意識しました」。太もも痛など満身創痍(そうい)の中、引き分けでも敗退する一戦で存在感を示した。サポーターに向かって走り、ガッツポーズ。「泥臭く格好悪いですけれど、これからも90分間ハードワークしたい」。9月25日新潟戦以来となるエースの得点がチームの活力となった。
海外経験で「もっと我を強く」と感じ、鹿島の輪に入った。監督、選手間の意見交換こそ、チーム力向上につながると信じた。セレーゾ前監督の部屋を訪れ、出場を直談判したこともある。8月には石井監督と衝突し、直後の日本代表発表ではハリルホジッチ監督に反抗的態度を指摘され選外となった。試合翌日のミーティングでは全員の前で頭を下げた。そんな男を仲間が認めるから、クラブも厳重注意にとどめた。
造反騒動後は1得点。エースの不調はチーム成績に直結した。リーグ戦7年ぶり4連敗後の今月7日、MF小笠原主将らを中心に鹿嶋市内のブラジル料理店で決起集会を開いた。選手1人ずつ「CSや天皇杯に向けて切り替えよう」「俺たちなら2冠とれる」などと発言する中、金崎は冗談を交えて笑いを誘い、士気を高めた。直後の天皇杯の1勝は雰囲気を変えた。決勝進出直後のピッチ脇で小笠原は「次があるからはしゃぐな」と仲間を引き締めた。年間勝ち点15差をつけられた浦和を破ってこそ、17冠鹿島の宿命を果たす。
視察したハリル監督の前での決勝弾に、金崎は「やっと決まった感じです」と安堵(あんど)の表情を浮かべたが、タイトル獲得まで喜ぶつもりはない。「石井さんを中心にまとまって、良いプレーができた。決勝では、GK西川さんは性格がいいので、そこにつけ込みたい。点をとらせてくれるかな」。鹿島の一致団結「ムー度」が一気に高まってきた。【鎌田直秀】
◆金崎の造反問題 8月20日の湘南戦で途中交代を命じられた金崎が石井監督に激高した。0-0の後半25分に交代でベンチに下がる際、石井監督が握手をしようと差し出した手を拒み、文句を言ってスタッフに止められた。試合翌日、金崎はチームの前で石井監督に謝罪して和解したが、同25日の日本代表メンバー発表でハリルホジッチ監督が言及。「ああいう行動を取る選手は選ばない」と代表から追放された。