入学たった4日でデビューも。昨年度の全国高校サッカー選手権で青森山田の初優勝に貢献したFW鳴海彰人(18)が5日、宮城・柴田町の仙台大の入学式に出席した。昨夏の全国高校総体、年末年始の全国高校選手権とも得点王に輝いたストライカーは仙台大の1年生でただ1人、天皇杯宮城県予選のメンバー入り。9日に天皇杯切符をかけたソニー仙台(JFL)との代表決定戦(ひとめぼれスタジアム宮城)を控え、大学デビューを待つ。
早くもデビューのチャンスが訪れた。濃紺スーツの新入生が多い中、「目立ちたがり屋なので」とグレーのスーツで入学式に出席した鳴海は「監督から出したいと言われている」と明かした。仙台大・吉井秀邦監督(44)が天皇杯宮城県代表決定戦へ、大学生になったばかりの点取り屋を起用する考えというのだ。
仙台大は既に予選3試合を勝ち上がった。鳴海は3月9日にチームに合流したが、直後に日本高校選抜の選考・強化合宿に参加し、試合には出場していない。吉井監督は「インターハイ、高校選手権と2大会で得点王になった選手は、高校サッカーの歴史でもそうはいないと思う」と大きな期待を寄せる。スピードと決定力を武器に全国高校選手権のほか、昨年のU-18プレミアリーグも制した。
青森山田1年生の冬に、同校OBで当時の仙台大コーチに声をかけられたりしたのをきっかけに、仙台大への進学を決意していたという。関東などの強豪大学からの誘いがあっても、心は揺らがなかった。高卒でJリーグ入りできる能力を秘めたが「大学志望でした」。プロ引退後のセカンドキャリアを考え「何か資格を」と話した。体育教員の免許取得が可能な仙台大はうってつけだった。
総理大臣杯や全日本大学選手権に東北の常連として出場する仙台大は関東、関西の強豪に劣るのが現状。それでも鳴海は「燃える材料」と反骨心を支えにして「仙台大で結果を残してプロになる」と強い決意を示した。大学でも全国に名をとどろかせる第1歩を、間もなく踏み出す。【久野朗】
◆鳴海彰人(なるみ・あきと) 1998年(平10)4月19日、北海道新ひだか町生まれ。小学生の時に静内山手FCでサッカーを始める。静内中から青森山田に進学。昨夏の全国高校総体7得点。全国高校選手権は6得点。同一年の両大会の得点王は08年度の鹿児島城西FW大迫勇也(ケルン)以来8大会ぶり。家族は両親、兄2人、姉と弟。175センチ、75キロ。