広島5年3度Vの森保監督が電撃辞任「残念」社長

1日、浦和戦で戦況を見る広島森保監督

 サンフレッチェ広島は4日、森保一監督(48)が3日付で退任したと発表した。今後は暫定的に横内昭展ヘッドコーチ(49)が指揮を執る。1日の浦和戦で今季2度目の4連敗を喫し、クラブ側に辞意を伝えたという。慰留に失敗した織田秀和社長は「まさにチームのレジェンドともいえる監督の辞任を了承することは苦渋の決断であり、非常に残念」と話した。

 今季はリーグ前半戦で2勝4分け11敗、降格圏の17位と低迷。特にホームで4分け5敗と勝てず苦境に陥った。昨季終了後に18年までの契約延長で合意していたが、森保監督はクラブを通じ「プロは結果がすべての世界。皆さまに喜んでいただけるような結果を残すことができず、申し訳ありません」とコメントした。

 就任1年目の12年にリーグ優勝に導き、13年は連覇。15年もチャンピオンシップを制し、過去5年で3度のリーグ優勝と輝かしい実績を残した。今季に向けても「いい練習といい積み上げができた」とチーム力に自信を示していた。しかし中盤を束ねる青山、最終ラインの水本と千葉と主軸が30代。世代交代が進まず、開幕前からけが人が続出。浅野、ドウグラスが去った前年に続き、今季も佐藤が名古屋、ピーター・ウタカが東京に移り、17試合で15得点。シュート決定率はリーグ最低の7分1厘となっている。失点もリーグワースト3位タイの30失点とバランスを欠いた。J2降格が現実味を帯びる中、決断を下した模様だ。

 監督としてJ1通算92勝40分け55敗。織田社長によると、今後もクラブ運営に携わることを求め、森保監督も「即答はできないが、クラブ発展のための協力は惜しまない」と話しているという。

 ◆森保一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日、長崎市生まれ。長崎日大高から87年に広島の前身マツダ入り。98年に京都へ1年間期限付き移籍し、再び広島で01年までプレー。03年に仙台で引退。J1通算293試合15得点。日本代表で「ドーハの悲劇」も経験。国際Aマッチ35試合1得点。04年に広島の育成コーチに就任。U-19、20日本代表や広島、新潟のコーチを経て12年にクラブ初の生え抜き監督に就任。