札幌チャナティップ、思い出の地でJ初得点狙う

シュートを放つ札幌MFチャナティップ(撮影・保坂果那)

 タイ人ブームの火付け役は、待望の初ゴールへの闘志を燃やす。北海道コンサドーレ札幌は2月28日、敵地での第2節セレッソ大阪戦(2日、キンチョウスタジアム)へ向けて熊本・大津町運動公園で練習を行った。今季Jリーグにタイ人3選手が新加入。昨年6月に来日し、道筋を作った2季目のMFチャナティップ(24)は、先駆者として公式戦に初出場した思い出の地、相手との戦いで、メモリアルな1発を狙う。

 初勝利を目指すC大阪戦2日前、チャナティップはリラックスしていた。ビルドアップを確認する練習時。引き締まった表情を時折緩め、チームメートと談笑した。昨季リーグ3位のC大阪はルヴァン杯と天皇杯の2冠チーム。「難しい試合になると思うけど、勝つしかない。勝てばみんな自信になると思う」。自身もチームも、新戦術の連係が、日に日に深まっている手応えを感じている。

 今季開幕戦でリーグ通算17試合出場となり、計18本のシュートを放った。J初得点に関して「狙っています」とキッパリ。苦杯をなめた前節、今季新加入の広島FWティーラシンにタイ人「J1号」を目の前で決められた。ゴール、アシストが求められる、シャドーを任され、パサーとしての能力を十分に発揮している。だからこそ、札幌サポーターと母国のファンの待ち望む1発を早く決めたい。

 主力としてけん引するタイ代表から、自身に続き、ティーラシンと神戸DFティーラトンがJリーガーとなった。「3人で一緒に頑張っていきたい」という思いがある。さらにU-23代表MFチャウワットがC大阪入り。“先輩”として負けられない。母国での注目度はさらに高まっている。テレビ、ネットなど多角的に展開するメディア「サイアム・スポーツ」は、昨季行ったチャナティップ密着取材を今季もスタート。好プレーが直接タイのファンに届けられる。

 キンチョウスタジアム開催のC大阪戦に特別な思いがある。昨年7月26日ルヴァン杯でJデビューした会場、相手で「出られてうれしい気持ちもあったけど、ドキドキした」と振り返る。初アシストを決めたのも、リーグ戦の敵地C大阪戦。日本での足跡を語る上で欠かせないカードに、2日は「初ゴール」を刻む。【保坂果那】