【Jリーグ記者予想】1番人気は広島も上位争いは混戦か 最下位最多は…

日刊スポーツ・サッカー担当記者の2024年J1順位予想

「2024明治安田Jリーグ」が今日23日、いよいよ開幕する。J1は、新スタジアム「エディオンピースウイング広島」で行われるサンフレッチェ広島-浦和レッズ戦(午後2時開始)がオープニングゲームだ。昨季はヴィッセル神戸が初優勝を果たすなど、今季も混戦ムード。12月8日の最終節まで熱戦が続く。

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上位争いは混戦模様か。日刊スポーツでは、北は北海道から南は九州まで総勢15人の記者による恒例の順位予想を実施しました。その集計を見ると、今季のJ1は突出したチームがないと言えそうです。

1番人気は、就任3年目のスキッベ監督率いる昨季3位の広島。同2位の横浜と並び、最多3人の記者が優勝を予想しました。次ぐ2位を広島と予想したのは4人で、横浜の2人を上回る前評判の高さです。広島は前線からハイプレスをかける戦術が浸透し、主力もほぼ残留。新スタジアム「ピース」の名称通りのリーグ「V」が期待されます。

続いて浦和、川崎Fを推した記者がそれぞれ2人。数多くの即戦力を補強した浦和は、予想平均順位では最高の「3・13位」。最終的に2位以内に入ると予想した記者が9人いました。

一方、昇降格を巡っては16年ぶりJ1復帰の東京Vを8人が最下位と予想。J2優勝の大本命は清水で、昨季の昇格プレーオフ決勝で敗れた借りを返せるか。実に8割の15人中12人がトップで復帰と読みました。

◆2024明治安田Jリーグ J1、J2、J3の全カテゴリーが初めて20クラブで統一された。2回戦総当たりの各38試合。J1は下位3チームがJ2へ自動降格。J2は上位2チームがJ1に自動昇格し、残り1枠を3~6位によるJ1昇格プレーオフ(11月末から)で争う。下位3チームがJ3に降格。J3は上位2チームが自動昇格し、新設のJ2昇格プレーオフが3~6位の参加で12月上旬に行われる。下位2チームはJFLの動向次第で降格や入れ替え戦の可能性がある。J1優勝賞金は3億円、2位1億2000万円、3位6000万円。

◆記者による寸評( )内は担当地区

▼保坂果那(北海道) 20年から4年連続で優勝予想に札幌を挙げてきた。結果は12、10、10、12位…。浅野の「タイトル奪いトル」の言葉には揺らいだが、けが人が出れば選手層は今季も手薄。1桁順位が現実的な目標か。2年連続の3位で昨季も6戦無敗締めの広島が新スタジアムで爆発 !?

▼木村有優(東北) 浦和は昨季、ベストイレブンのGK西川とDFアレクサンダー・ショルツを中心に堅実な守備を構築し、リーグ最少「27失点」。今季は22年の得点王、ベストイレブンFWチアゴサンタナを補強するなど、実に18年ぶりのリーグ制覇へ攻守において期待が高まっている。

▼木下淳(関東) 担当鹿島の優勝を当てた16年の的中は5。からの0、1、1…。以来5季ぶりに五輪担当から予想復帰ということで、夏季五輪イヤーの制覇クラブに注目。2度目のアテネ開催となった04年は横浜、パリで2度目となる今年も横浜だ!最多4度Vを誇る鹿島は…4位で。

▼岡崎悠利(関東) 東京が初優勝を手にするシーズンになる。対抗馬は積極補強で充実陣容の浦和。完成度で横浜、潜在能力で川崎Fも可能性があるが、注目は東京だ。J1初挑戦の町田は8位を予想。堅守をベースに安定感がある。アクシデントがなければさらに上位勢も食えるはずだ。

▼佐藤隆志(関東) A・ロペスら得点力が高い横浜が優勝の筆頭。選手層が厚く、安定した戦い方ができることも大きい。総合力の高い川崎F、昨季王者の神戸も相変わらず強そうだ。町田は取りこぼしが少なく目標とする5位をクリアか。東京Vは若手の成長に期待して中位と予想する。

▼盧載鎭(関東) 中盤が充実した鹿島が優勝候補。連勝続きの快進撃は難しいと思うが、年間を通して大崩れしないとみた。J2から戻った磐田はダークホース。町田は大型補強こそないが、各ポジションに充実した補強ができた。J2は昨季最終節で苦汁をなめた清水が今季こそ有力。

▼岩田千代巳(関東) 優勝は浦和。個の能力が高い外国人選手が攻守に並ぶ上、今季は天皇杯もACLもない。どの試合にも万全の状態で臨めそう。スキッベ監督3年目の広島が浦和と優勝を競り合うとみる。磐田は外国人選手がフィットすれば台風の目か。東京Vは厳しい戦いになりそう。

▼佐藤成(関東) 大改革した川崎Fの3年ぶりリーグ奪還を予想。主力が大量流出したが、新加入の戦力が充実しており、富士フイルム・スーパー杯で地力を発揮した。昨季15位の湘南はエースFW大橋が抜けたものの、福岡からFWルキアンを獲得。昨季からの積み上げに期待したい。

▼石川秀和(関東) 森保一(広島)鬼木達(川崎F)マスカット(横浜)-。いずれも初めて開幕から指揮したシーズンにJ1を制した。もともと力のあるチームが路線継続からの「監督交代ブースト」で優勝という流れ。オーストラリア人のキューウェル新監督を迎えた横浜が王座奪還。

▼小林忠(新潟) 新潟は就任3年目の松橋監督が「てっぺんを目指す」と宣言した。昨季、ベストヤングプレーヤー賞に輝いたMF三戸がオランダに渡ったが、攻撃で違いを生み出すFW小野、MF長谷川元が新たに加わった。好機を確実に仕留めていけば、初優勝も見えてくるはずだ。

▼神谷亮磨(静岡) 昨年に続き、広島をV候補に挙げた。就任3年目を迎えるスキッベ監督が積み上げた、攻撃的スタイルでの優勝を見てみたい。ブラジル人FWサンタナら積極補強した浦和の躍進にも注目している。J2は昨季J1昇格プレーオフ決勝で敗れた清水の雪辱に期待したい。

▼益田一弘(関西) 過去2年は3位だった広島が優勝する。就任3年目のスキッベ監督が円熟のタクトで、安定感ある3バックの守備と満田、川村らの攻撃を操る。新スタジアム「エディオンピースウイング広島」元年を飾る。リーグ戦に注力できる浦和が対抗。神戸は過密日程が苦しいか。

▼横田和幸(関西) 小菊監督率いるC大阪が、クラブ設立30周年に悲願の初優勝へ。桜のブスケツこと札幌から加入の田中が、35歳となる香川と中盤で劇的な化学反応を起こし、得点力をアップさせる。広島と僅差の優勝争いを演じ、最後は清武、登里らベテランの底力が勝負の決め手に。

▼永田淳(関西) スーパー杯では川崎Fに敗れたが、堅実補強の神戸が連覇する。憎いほど強い浦和が戻ると期待して2位。継続性ある川崎F、広島は安定した力で上位に。G大阪は昨季まで苦しんだが、今季は一気に順位を上げると予想。FW原に爆発の予感ある京都も楽しみな存在。

▼菊川光一(九州) スーパー杯で昨季J1王者の神戸を下した川崎Fが王座奪還する。新加入のブラジル人3選手ら、リーグ屈指の厚い選手層で優位を保つV本命だ。対抗は広島。一方で、主力流出の福岡、沖縄キャンプの練習試合4戦未勝利で18失点の鳥栖は、昨季順位を下回りそうだ。

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