日本には岡崎もいる 本田お膳立て発言「なにくそ」

ウオーミングアップで細かいステップを踏む岡崎。右は遠藤(撮影・山崎安昭)

 サッカー・ワールドカップ(W杯)日本代表FW岡崎慎司(32=レスター)が、決意を胸に24日(日本時間25日午前0時)の1次リーグ第2戦で強敵セネガルに向かう。大会前は右ふくらはぎの負傷が心配されたが、21日も練習メニューをすべてこなした。FW大迫勇也(28=ブレーメン)が注目される中、日本人初の3大会連続ゴールがかかる岡崎は途中からの出場が濃厚。「自分が助けになればいい」と勝利を誓った。

 この日はコロンビア戦の控え組が、U-19日本代表と非公開で30分のトレーニングマッチなどを行った。岡崎はトップ下に入り、積極的なプレスやDFラインの裏を狙った動きを繰り返すなど、軽快なプレーを見せたという。決勝トーナメント進出が見えてくるセネガル戦に向け、好調ぶりをアピールしたようだ。

 岡崎は「しばらく練習に入れていなくてきつかったけどプレスに行ったり、守備に(コースを)切ったりという部分でやれた」と手応え。コロンビア戦のメンバーが次戦もベースとなるため、岡崎は後半途中からの出場が濃厚。1点を争う展開から、勝利につながるゴールが期待されそうだ。

 MF本田とともに3大会連続ゴールがかかる。コロンビア戦の決勝点で一躍ヒーローとなったFW大迫の代表通算8得点に対し、岡崎はここまで50得点を重ねてきた。西野監督からは「替えの利かない選手」と揺るぎない信頼を置かれる。「チームが苦しいときに自分みたいな選手が必要になると信じている。信頼して(23人に)入れてくれた」。先発でも途中出場でも関係ない。苦しい場面でゴールをもたらすことが、使命だと自覚する。

 かつて、ゴールについて話したことがある。「点を取って悔しいことって、なかなかないことなんです」。数少ないという“悔しいゴール”が、過去2度のW杯で記録した得点だった。10年南アフリカ大会のデンマーク戦で奪った自身のW杯初ゴール。MF本田のアシストからだった。重圧から解き放たれたうれしさはあったが、本田が後日「シュートを打てたけどパスを出した」と話した記事を読んで悔しさがわいた。「嫌ではない。でも、なにくそ、というものはあった。圭佑にそんなこと(お膳立て)を考えさせた自分がただただ未熟だった」。

 14年ブラジル大会のコロンビア戦でもゴールを奪うも、1-4という屈辱の敗戦を喫した。「点を取っても勝てないのか、と。あのときの悔しさはエネルギーになった」。そして「W杯で点を取るには難しいことにチャレンジしないと。どんなボールにも反応しないといけない」と言う。

 勝てば決勝トーナメントがぐっと近づく。岡崎は「1人少なかったコロンビア戦に比べスペースがないだろうけど、自分がそういうところで助けになればいい」。持ち味の機動力を生かし、泥臭くすり抜ける動きで貢献する決意だ。

 期待されるのは勝ち点3につながるゴール-。大迫だけじゃない、日本には岡崎もいる。【岡崎悠利】