小林祐希「蹴らしてよ」とFK狙うも、セーブされた

ヘーレンフェイン小林祐希

<オランダリーグ:ズウォレ2-1ヘーレンフェイン>◇7日◇ズウォレ

 MF小林祐希(25)が所属するヘーレンフェインは、アウェーでズウォレに1-2で敗れ、欧州リーグ出場権をかけたプレーオフへの進出は持ち越しとなった。リーグ戦29試合連続先発出場の小林は、ダブルボランチの左サイドでプレーした。

 積極的にボールに触り、縦方向へのパスを意識しながらヘーレンフェインの攻撃をリードした。後半6分にはFKから左足を振り抜いて直接ゴールを狙ったが、GKファンデルハルトのセーブに防がれた。同40分にはドリブルで相手を引きつけて、フリーになったFWグーチャネジハドに絶妙なスルーパスを通し、1対1のビッグチャンスを創出したが、シュートはGKの守備範囲に飛んでしまい、惜しくもアシストにならなかった。試合は、前半18分に退場者を出して1人少ないズウォレが同29分と後半2分に得点。追いかける展開となったヘーレンフェインが、後半ロスタイムにグーチャネジハドが1点を返したものの焼け石に水だった。

 8位のヘーレンフェインは、14位のズウォーレに1対2で敗れたため、欧州リーグ出場権を懸けたプレーオフへの進出を最終節に持ち越した。プレーオフ進出を決めているのは、4位ユトレヒト、5位AZ。6位フィテッセはカップウイナーとして欧州リーグ進出を決めており、7位トゥエンテは来季の欧州カップ出場権の資格を失っていることから、今季は9位のチームまでプレーオフに進出できる。33節を終えて8位ヘーレンフェイン(勝ち点43、得失点差+3)、9位ヘラクレス(勝ち点43、±0)、10位フローニンゲン(勝ち点40、+2)。また、14位ズウォーレは1部残留を決めた。

 フル出場した小林との一問一答は次の通り。

    ◇    ◇

 -前半の出来は良かったと思います

 「全体的に良かったと思います」

 -自滅の内容。チームにとっても小林選手にとっても、もったいない試合だった

 「10人になるとよくある展開。引かれて、為す術なし…みたいな。ずっと攻めてたけれど、なかなかネットを揺らせなくて、カウンターという展開でした」

 -前半を振り返って下さい。ドイス(ダブル)ボランチだったと思いますが、小林選手はパスを出したら前に走り、パスの方向も縦への意識が強く、「8番(コネクティングMF)」としてプレーしたのでは?

 「前に前にと思ってたんだけれど、途中から“6番(セントラルMF)”と言われて、ポジションが1個後ろになっちゃったんですけれど、それでも前にパスして自分が出ていく(プレーを続けた)。レザ(グーチャネジハド)が決めていればアシストも付いていた。そういう運みたいなものも手繰り寄せられるようになってくれば、いいかなと思います」

 -前半だけで通したパスが32本。通せなかったパスは5本。そのうち明らかなパスミスは1本だけだった

 「前半だけで50タッチ。トータル10タッチしてたんだったら、良いんだけれど、相手が10人になってたし、真ん中にしたらそれぐらい触れるかなと思います。今日は決定的なパスを何本か狙って、前にロングボールを入れた。周りに何を言われても関係ないと思って、今日はとりあえずやりました。自分のやりたいことを今日はちょっと出してみました」

 -「自分のやりたいこと」とはリスクを負ったプレーですか?

 「ドリブルで仕掛けてスルーパスとか、前向いて動きだしている人がいたら長いボールでも出すとか、ワンタッチのフリックも今日は多めに出来た。自分としては悪くなかったと思います」

 -もう一つ、「自分のやりたいことをやった」という意味では、直接FKも今日は蹴った

 「あれも“蹴らしてよ”って。枠に行ったしね。人工芝だったから、あんまり伸びなかったので、天然芝だったら入ったかもしれない」

 -次節は、プレーオフ進出のために引き分け狙いもあり?

 「プレーオフに出なければ意味がないから、勝ち点1で良いんだったら、それでも良いと思います」。

 -8位ヘーレンフェイン(得失点差+3)は9位ヘラクレス(同0)と勝ち点43で並んだ。10フローニンゲンは勝ち点40(同+2)。勝ち点1でオッケー

 「次はホームだし、引き分けで良いという気持ちだったら、引き分けしかない(勝利は付いてこないという意)。勝ち点3を狙いたい。その勝利が次のプレーオフの試合につながってくるんですよ。勢いを付けていきたいです」

 -まだ7位(トゥエンテとの勝ち点差は2)も狙える

 「1個でも上の順位で終えられるように、全力を尽くす。それが自分のスタイル。チームがどうであれ、そこは関係ないです。自分のやるべきことをやります」

 -これまでリターンパスが少なかったが、今日の前半は多かった

 「後半も惜しいところまでは行ってたので、結果は1対2だったけれど、個人的には“やりきった”という感じのしない試合よりも、今日は“自分のやりたいことにチャレンジしたな”というポジティブな気持ちでいる。結果は負けて、もちろん悔しいけれど、そういうポジティブなものも自分の中ではあるので、次につながるかなと思います」

 -これからの1週間、チームとして大事なことは?

 「やっぱり、人のことに目を向けるのではなく、自分が今、何をするべきか。人がミスしたとか、そういうことばっかり耳に入ってくる気がする。じゃあ、味方がミスした時、自分は何が出来たのか? そういう風に考えていって欲しい。だからプレーがワンテンポ、遅れていってしまう。そこにチームのレベルを感じますよね。自分より人がこうしてくれないかなとか、人がミスするからとか…。じゃあ、全部、予測しろよと。俺はそういう風にやっていきたいと思います」